自己紹介(読み飛ばしOKです)
こんにちは、フリーランス薬剤師の橋本です。
大手薬局に3年間勤務したのち、現在は複数の薬局と契約して働いています。
このブログでは、薬剤師の柔軟な働き方や、薬局との関係性について実体験をもとに発信しています。
結論:フリーランス薬剤師は“経済的にも悪くない選択肢”
今回のテーマは、
「フリーランス薬剤師って薬局にとって高いの?安いの?」
その答えは、思ったよりも経済的に優しいです。
ただし、「どっちが安いか」で優劣をつける話ではなく、
薬局にどれだけ“貢献できるか”がもっと大事という視点でお話しします。
また、これを知っておくと交渉の際に役立つと思います。
年間コストをざっくり比較してみた
同じように薬剤師として働いても、雇用形態によって薬局が負担する総コストは大きく違います。
今回は以下の2人を想定して比較してみました。
- 正社員薬剤師(年収600万円)
- フリーランス薬剤師(時給3,500円、月160時間勤務)
💼 正社員薬剤師の年間コスト内訳
項目 | 概算額 | 備考 |
---|---|---|
基本給・賞与など | 6,000,000円 | 税引前の表向きの年収 |
会社負担の社会保険料 | 約900,000円 | 健康保険・厚生年金・雇用保険の会社負担(約15%) |
福利厚生費・研修費など | 約300,000円 | 健診、有給、人材育成など(約5%) |
採用・定着コスト | 変動 | 新卒採用・面接・育成コストなど目に見えづらい |
📌 総コスト目安:7,200,000円以上
🧾 フリーランス薬剤師の年間コスト内訳
項目 | 概算額 | 備考 |
---|---|---|
稼働報酬 | 6,720,000円 | 時給3,500円 × 月160時間 × 12ヶ月 |
社保・福利厚生 | 0円 | 全て自己管理。薬局側負担なし |
採用・定着コスト | ほぼゼロ | 短期契約のため教育コストも少ない |
📌 総コスト目安:6,720,000円
差額は?実際どのくらい違うのか
数字で見てみると——
- 正社員薬剤師:約720万円以上
- フリーランス薬剤師:約672万円
その差は年間48万円以上、月換算で約4万円の違い。
薬局によっては、この差が2〜3人分になる可能性もあります。
じゃあ、フリーランスの方がいいの?
一概には言えません。
正社員には「安定して働き続けてもらえる」「教育しやすい」などの利点もあります。
ただ、経営目線で見ると、「コストを抑えて、成果を出してくれる人材」は非常に魅力的です。
最後に問われるのは、“どれだけ貢献できるか”
結局、こういう話に落ち着きます。
- 社員でも、ただ「在籍しているだけ」では評価されにくい
- フリーランスでも、「現場に貢献している人」は確実に求められる
僕自身、薬局で「また来てほしい」と言われるように心がけています。
- 外来服薬支援料など、加算取得に積極的
- 薬歴や投薬のスピード感
- 店舗全体の流れを読んで、声をかける
こうした動きができれば、報酬以上の価値を感じてもらえるはずです。
「週2だけ来てくれる人」も、実はありがたい
フリーランス薬剤師は働き方の自由度が高い。
- 月〜水は別の仕事、木金だけ薬剤師
- 午前中のみ稼働
- 繁忙期だけスポット対応
こういった働き方が可能なのも、薬局にとって都合がいい場合があります。
まとめ:安さだけじゃなく、価値を出せるかどうか
- フリーランス薬剤師は経済的にも優しい存在になり得る
- でも、「単価が安い」だけでは意味がない
- “その人がいることで薬局が助かる”、それが一番の価値
コストだけを見るのではなく、“払った金額以上の仕事をする人”をどう活かすか。
それがこれからの薬局経営にとって、大事な視点だと感じています。
あとがき:働き方は違っても、「信頼される人」になれたらいい
正社員、フリーランス、派遣。
形はいろいろあるけれど、求められているのは“信頼される人材”。
僕はこれからも、「この人と仕事したい」と思ってもらえる薬剤師でいたいと思っています。
この記事が、薬剤師の働き方を見直すヒントになればうれしいです。
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