なぜ僕は“派遣”ではなくフリーランス薬剤師を選んだのか?

働き方

こんにちは、Pharmalance(ファーマランス)代表の橋本です。
大手薬局で3年間勤務したのち、2025年にフリーランス薬剤師として独立しました。

現在は複数の薬局と業務委託契約を結びながら、
働く場所・時間・報酬をすべて自分で選ぶスタイルで活動しています。


薬剤師として3年目のある日、僕は会社を辞めました。
「自由に働きたい」「自分で決めたい」という想いが、少しずつ強くなっていたからです。

会社員としての働き方を否定するつもりはありません。
ただ、誰かが作ったシフトで働き、決められた場所に通い、報酬も評価もすべて上から与えられる。
そういう日々に、少しずつ息苦しさを感じるようになっていました。

退職後、最初に働いたのは個人薬局でした。
「自由にやれるかな」と思っていたのですが、実際には合わず、わずか1ヶ月で退職することに。
そのときの正直な気持ちは――「ここでもダメだったか」でした。

でも、だからこそ気づけたんです。
僕が本当に求めていたのは「働き方の自由」だけじゃなく、「働くことへの主体性」だったと。

派遣という選択肢もあった。

会社を辞めたあと、僕はとにかく情報を集めました。
「派遣薬剤師」「副業薬剤師」「業務委託契約」…さまざまな働き方があることを知り、そのなかでも“派遣”は手っ取り早く働けそうに思えました。

実際、派遣にもいいところはたくさんあります。
時給は高く、働き先も多く、単発勤務もOK。最初に話を聞いたときは、「これでもいいかも」と思ったほどです。

でも、いろいろ調べていく中で、あることが気になりました。

「マージンって、こんなに取られるのか…」
「報酬が給与扱いってことは、経費の自由も少ないな」
「税金面も、自由度が少ない…」
そして何より、「自分で何も決められない」感じがしたんです。

これは僕が求めていた“自由”ではない。

そう思った瞬間、フリーランスという道が現実味を帯びてきました。
もちろん、いきなり案件が取れるわけもなく。実際には、派遣の単発勤務なども活用しながら、少しずつ土台を作っていきました。

派遣を完全に否定するつもりはありません。
実際、僕も助けられましたし、うまく使えば有効な選択肢です。
でも「自分の足で立ちたい」と強く思った僕には、やっぱりフリーランスが合っていたんだと思います。


初めて契約が取れたときのこと

初めて薬局と業務委託契約を結んだときのことは、今でもはっきり覚えています。

きっかけは、単発で働いた薬局のスタッフさんからの紹介でした。
「実は、知り合いの薬局が人手不足らしくて…」
そう言ってもらえたのが始まりで、自分で契約条件を提示し、初めて“自分の名前で仕事を取った”瞬間でした。

そのときの感覚は、まさに「自分の人生が動き出した!」でした。

開業届を出したときも、事業用口座を作ったときも、自分の意思で進めた手続きはたくさんありましたが、実際に“仕事”として動き出すのは全然違う感動でした。

まるで、冒険の第2章が始まったかのような、そんな気持ちでした。


フリーランス薬剤師のリアルな魅力3選

もちろん、理想だけでフリーランスになったわけではありません。
実際にやってみて感じた、「派遣とはここが違う!」というポイントを3つ挙げます。

① 経費を使い、自分で税金対策ができる
事業所得として報酬を受け取るので、必要な出費を経費にできます。
僕自身まだまだ勉強中ですが、領収書の整理や確定申告を通じて、税に強くなってきている実感があります。

② 契約書を自分でつくるから、経営の視点が持てる
条件の交渉も、自分でやらなければなりません。
最初は不安でしたが、だからこそ“主体性”が養われました。
「自分は今、経営者として薬剤師をやっているんだ」と、自然と意識が変わっていきます。

③ 金額も、働き方も、交渉次第で変えられる
僕は一律の報酬で働いていますが、「忙しい店舗だから、今回は+500円でお願いできませんか?」といった交渉も可能です。
会社員では考えられなかった“値段を自分で決める”という世界に踏み出した瞬間でした。


不安も、孤独も、全部含めてこの道を選んだ

正直、不安がなかったわけではありません。
むしろ、不安だらけでした。

特に最初の頃は「このまま仕事が取れなかったらどうしよう」と不安に押しつぶされそうになることもありました。
そんなときでも、彼女の存在に本当に助けられました。

僕が不安を見せないようにしていても、どこかで察していたのでしょう。
「大丈夫だよ」と言ってくれたその言葉に、どれだけ救われたかわかりません。


この道は、誰にでもすすめられるものではないけれど

フリーランスという働き方は、全員におすすめできるものではありません。
自己管理も必要ですし、リスクもある。

でも、それでも僕は、自分の人生の舵を自分で握っている感覚がある今の働き方を、心から選んでよかったと思っています。

僕はこの道を、誰に相談することもなく、ひとりで試行錯誤しながら歩いてきました。
だからこそ、将来的には、フリーランス薬剤師になりたい人に向けて伴走できる存在になりたい。
コンサルとしてサポートする仕組みを作りたい。

そんな新しい夢も、フリーランスになったからこそ生まれました。

この投稿が、誰かの一歩を後押しするきっかけになれば嬉しいです。

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