「フリーランス薬剤師って自由そうでいいな」
よくそう言われます。
でも、自由な分だけ責任もリスクもある。
今回はその象徴的な体験、実際に案件を断られた話を正直に書きます。
フリーランスを目指す薬剤師の方に、「こういう現実もあるよ」という一例として役立ててもらえたら嬉しいです。
自己紹介例(読み飛ばしOK!!)
はじめまして、はしけんです!!
大手ドラックストアで会社員薬剤師として働いた後、現在はフリーランス薬剤師として活動しています。
「もっと自由に働きたい」「自分の意志で場所や人を選びたい」という思いで独立しましたが、現実には楽しいことばかりではありません。
このブログでは、フリーランス薬剤師のリアルな経験談や失敗談も含め、薬剤師として新しい働き方を考えるヒントを発信しています。
条件が合わずに「話が流れた」案件
以前、フリーランス薬剤師として営業していた時に、受け入れを断られたことがあります。
実際には、派手に「お断りします!」と言われたわけじゃありません。
でも、結果的に「条件が合わないね」と話がまとまらずに流れました。
当時、僕は業務委託契約で時給3500円(税抜き)を希望していました。
一方、その薬局さんは2000円くらいで雇っている方がいるとのこと。
単純に「高すぎる」という感覚を持たれたわけです。
もちろん業務委託は社会保険料や福利厚生のコストはかからない。
派遣薬剤師よりトータルでは安くなるケースも多い。
でも、それをしっかり説明しきれなかった僕も悪いのです。
さらに、その薬局は在宅メイン。
在宅経験が豊富な人を特に歓迎している空気があって、外来は少なめ。
自分の経験がそこまで在宅特化ではなかったのも、正直マッチしなかった原因です。
社長との面談で言われたこと
この案件では、社長さんと直接お会いしました。
スーツを着て行って、条件の話をしました。
社長さんはとても誠実な方で、
「今回はちょっと条件が合わないね」
と本当に穏やかに、率直に伝えてくれました。
不思議と、嫌な感じは一切しなかったんです。
むしろ「こういう人が経営してるなら、きっと従業員さんも働きやすいだろうな」と思ったくらいです。
しかも後日、その社長さんが友人の薬局が人手不足だと知ったとき、わざわざ僕に連絡をくださったんです。
すごくありがたいご縁でした。
「高すぎる」と言われて思ったこと
「今回はちょっと単価が希望と合わないね」
そう言われたとき、正直仕方ないなと思いました。
もちろん、焦りや不安はありました。
「これからもこんな感じで仕事が決まらなかったらどうしよう」
「本当に食べていけるのか」
そんな思いは正直に言って頭をよぎりました。
でも、無理やりこちらの希望を押し通して、相手の経営を圧迫させたら意味がないとも思いました。
僕は「薬局経営の助けになる働き方」をしたくて独立したのに、それじゃ本末転倒だろうと。
だから「今回は身を引くのが筋だな」と心から思えました。
自分の中での反省点
この件で一番感じたのは、ちゃんと説明しきれてなかったという反省です。
業務委託契約って、社会保険や白衣などの経費はこちら持ちだし、福利厚生コストがかからない。
だから表面の時給が高く見えても、実は妥当な金額なんだと、もっとわかりやすく伝えられたはずでした。
それから、在宅特化の案件だったのに、自分が「在宅メインでガンガンやってました!」という経歴を持っていなかった。
相手が求めている経験値を埋められなかった自分の力不足も大きい。
断られたときの正直な気持ち
話がまとまらずに帰るとき、めちゃくちゃ焦りました。
「やばい、この先もこうだったらどうしよう」
「預金は減る一方だぞ」
現実味のある不安が一気に襲ってきました。
でも同時に、「こういうことはこれからも普通にあるだろう」と覚悟を決めるきっかけにもなった。
フリーランスって結局、自分を売る仕事。
うまくいかないことを乗り越えないと続けられないんだと、身をもって学びました。
断られた後にしたこと
その後、改めて同じ薬局に営業し直したりはしませんでした。
でも、お話だけでも聞いてくれたことには心から感謝して、その場を去りました。
ただ、そのままでは本当に生活が厳しくなるので、派遣会社に登録して単発の案件をこなすようにしました。
とにかく現金収入を確保して、減る預金残高の恐怖を和らげたかった。
働く日が入るだけで、気持ちが全然違うんです。
「まだ大丈夫だ」と思える安心感がありました。
今振り返って思うこと
今振り返ると、この経験は本当に大事な教訓になりました。
「こんなこと、これからもざらにあるだろう」
「へこたれてはいけない」
そういう覚悟をしっかり持つきっかけになった。
フリーランスは「断られるリスク」も含めての自由。
それを引き受けてでも、この働き方を選びたいのかどうか。
その問いを自分に突きつけられた体験でした。
まとめ:断られても前に進む
フリーランス薬剤師は、自由であると同時に、不安定さや断られるリスクも常に背負います。
でも、その自由を得たくて、僕はこの道を選びました。
断られたときは不安にもなったけど、その経験があったからこそ、次に伝え方を工夫したり、自分の経験値を広げようとする意識が持てた。
フリーランスを目指す人にとっても、こういう「断られる現実」は避けて通れないかもしれません。
でも大事なのは、そこで立ち止まるか、また次に動けるか。
もしあなたが同じように迷ったり不安を感じているなら、僕の失敗談も一つの参考にしてもらえたら嬉しいです。
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