フリーランス薬剤師になって実感した「仕事がありがたい」理由5選

働き方

「明日、自分に仕事がある」

フリーランスになってから、その言葉の意味がずっしりと重くのしかかるようになりました。

仕事がある。働く場所がある。誰かに必要とされる――

当たり前だと思っていたすべてが、実は“当たり前ではなかった”ことに気づかされました。

僕は薬剤師として3年間、会社員として働いたあと、フリーランスという道に進みました。
それまでは、出勤すれば仕事があり、給与が入ってくる日常が“普通”だと思っていました。

しかし独立してみて、痛感しました。
「仕事がある」という状態は、偶然でも当然でもなく、いくつもの支えと仕組みで成り立っていたのだということに。

今日は、そんな僕がフリーランス薬剤師として活動するなかで、心から実感した「仕事がありがたい理由」を5つお伝えします。


① 働く場所があるのは「誰かが用意してくれていた」から

会社員時代は、出勤して処方箋を確認し、薬を準備して患者さんに渡す――
そんな一連の流れを、特に何も考えずにこなしていました。

薬局には在庫があり、レジがあり、スタッフがいて、仕事ができる環境が整っていました。
ですがそれは、誰かがその場所を作り、維持してくれていたからこそ実現していたことでした。

独立後は、まず働く場所を探すところから始まりました。
契約がなければ仕事は生まれませんし、環境もすべて自分で整える必要がありました。

「場所があるから仕事がある」のではなく、
**「誰かが場所を作ってくれていたから仕事ができていた」**のだと、深く実感しました。


② 誰かが「仕事をつくってくれていた」から

薬局に患者さんが来て、処方箋が出て、薬を渡す――
この一連の流れが“当たり前”だと思っていた時期がありました。

しかし実際には、患者さんに来てもらうために、
誰かが地域に信頼を築き、営業活動を行い、行政とのやり取りをしてくれていたからこそ、仕事が成立していたのです。

薬局経営者は、日々リスクを背負いながら店舗を運営し、スタッフの雇用や教育に力を注いでいます。
その仕組みの中で、僕は安心して与えられた業務に集中できていました。

フリーランスになってからは、営業も契約交渉も、信頼の積み重ねも、すべて自分で行う必要がありました。
その経験を通じて、「仕事を用意してくれる誰か」の存在がどれほど偉大だったかに気づかされました。


③ 必要としてくれる人がいるのは「当たり前ではなかった」から

フリーランスとして独立したばかりの頃、ぼくは仕事がなく、不安な日々を過ごしていました。

SNSで「フリーランス薬剤師を始めました」と発信しても反応はほとんどなく、
知人に連絡をとっても「今は人が足りているから」と丁寧に断られることが続きました。

そんな中で、初めて契約が決まったとき、心から感動しました。

「自分を必要としてくれる場所がある」
「仕事があるって、こんなにも安心できることだったんだ」

と、胸が熱くなりました。

会社員のときは「この業務、自分じゃなくてもいいんじゃないか」と感じる瞬間もありましたが、
フリーランスになってからの仕事は、1人の人間として“選んでもらった”という喜びがありました。

必要とされることのありがたさを、心から実感しました。


④ 薬剤師免許という「土台」があるから

僕がフリーランスとして活動できているのは、薬剤師免許という国家資格があるからです。
この資格があることで、ある程度の専門性や信頼性を示すことができ、仕事の入り口に立てました。

資格がなければ、同じように飛び込むことは難しかったかもしれません。
「求められる職業であること」と「必要とされる技術があること」は、
フリーランスという立場において大きな強みになります。

つまり、僕の挑戦は、完全なゼロからのスタートではなく、
**「資格という土台の上に立った、方向転換だった」**のです。

それに気づいたとき、あらためてこの資格の価値と、
それを生かせる環境があることのありがたさを感じました。


⑤ スキル次第で「いくらでも広がる」から

フリーランスとして働くようになってから、
僕は「薬剤師×◯◯」という働き方に可能性を感じるようになりました。

たとえば…

  • 薬剤師 × ライティング
  • 薬剤師 × SNS発信
  • 薬剤師 × 健康習慣コーチ
  • 薬剤師 × 動画編集
  • 薬剤師 × 薬局業務の業務改善コンサルティング

調剤という枠を越えて、薬剤師が社会に貢献できる場は広がってきています。
僕自身もブログやSNSを通じて情報発信をはじめ、
「伝える力」や「相談を受ける力」を磨こうと取り組んでいます。

努力次第で、薬剤師の価値はさらに広がる。
スキルを掛け合わせれば、自分にしかできない役割を見つけることができる
そう確信できたのも、フリーランスとして働きはじめたからこそでした。


まとめ:「仕事がある」ということは、奇跡の連続

会社員だった頃は、
「仕事があるのは当たり前」だと思っていました。
でも今は違います。

  • 働く場所があること
  • 仕事を生み出す仕組みがあること
  • 自分を必要としてくれる人がいること
  • 資格が活かせる環境があること
  • スキル次第で未来が広がること

そのすべてが、「当たり前」ではなく、積み重ねられた奇跡のようなものだったのだと感じています。


最後に:これから一歩を踏み出したい人へ

もし今、フリーランスや独立に興味を持っているけれど、
「自分にできるか不安だ」と感じている方がいたら、こう伝えたいです。

いきなり大きな挑戦をする必要はありません。
小さな発信でも、副業でも、短期の派遣でもいいのです。

一歩を踏み出せば、景色はきっと変わっていきます。

僕自身、踏み出したことで得られた学びや感謝がたくさんあります。
だからこそ、あなたにも「動いた先にある世界」を見てほしいと思います。

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