「フリーランス薬剤師になるには、何年くらいかかりますか?」
そんな質問をよくもらいます。
結論から言うと、最短で1年目でもなれます。
でも実際は5-10年以上の勤務経験を経て独立する人が多いのが現実です。
この記事では、僕自身の経験も交えながら、
- なぜ最短1年でもいけるのか
- どうして5-10年以上かける人が多いのか
- フリーランスになる前に必要な“土台”とは何か
を、できるだけわかりやすく、お話ししますね。
フリーランスに「資格年数の条件」はない
まず最初に知っておいてほしいことは、
フリーランス薬剤師に国家資格以外の「年数の縛り」はない
ということです。
つまり、「薬剤師免許を取って1年目だけど、独立したい!」と思えば、それは法律上は全然OK。
実際、企業や薬局と業務委託契約を結ぶだけなので、年数の縛りはありません。
じゃあ、なぜ「数年は現場に出てからじゃないと…」という空気があるのか?
多くの人が“5~10年以上”と考える理由
僕自身も、会社員薬剤師として3年目で独立しました。
でも、もし1年目で「いきなりフリーになろう」と思ってたら、たぶん踏み出せなかったと思います。
なぜなら、こんな課題にぶつかるからです:
よくある“フリー前”の不安
- 「現場経験が浅いけど、通用するかな…?」
- 「契約とか税金の知識が全然ない…」
- 「営業ってどうやるの?怖い…」
- 「いきなり収入がゼロになったらどうしよう…」
これ、全部僕も通ってきた道です。
だからこそ、「3年くらいかけて準備する」のが安心だし、現実的。
じゃあ、どうすれば1年でもなれるの?
もし本当に1年でフリーになりたいなら、必要なのは「現場力+自己管理力+発信力」。
これを簡単に分けて説明すると…
① 現場力(即戦力であること)
- 投薬が早い・正確
- 薬歴もテンポよく書ける
- ピンチの時、臨機応変に動ける
これは派遣やフリーで最も見られるポイント。
「この人、ちゃんと使えるな」と思ってもらえれば、1年目でも契約してくれる薬局はあります。
② 自己管理力(経営者としての自分)
- 開業届の提出
- スケジュール管理
- 保険加入・請求書の作成・確定申告の準備
正直、薬剤師の仕事よりこっちのほうが大変かも(笑)。
でも、逆に言えばここさえ押さえれば、誰でも独立できるんです。
③ 発信力(信用を得る力)
- SNSやブログで自分を知ってもらう
- 前職のつながりにしっかり挨拶をする
- 「こういう案件探してます」とオープンにする
フリーは孤独です。だからこそ、自分から“信頼”を作りに行く姿勢が欠かせません。
僕の場合は「3年目のモヤモヤ」がきっかけだった
ある日の朝、出勤準備をしながら、ふとこんな思いがよぎったんです。
「このままずっと、誰かに雇われて働くのかな…?」
待遇に不満はありませんでした。
でも、もっと裁量のある働き方がしたくて、じわじわと独立を意識しはじめました。
そして気づいたら、突発的に行動してしまっていました。(危険)
目安になる“3つの力”
振り返ってみて、フリーランス薬剤師になるのに必要な力は、この3つに集約される気がします。
力の名前 | 内容 | 目安 |
---|---|---|
現場力 | どの薬局でも一定のパフォーマンスを出せる | 投薬スピード・薬歴・対応力 |
自己管理力 | 自分で契約・スケジュール・収支を管理できる | 開業届・保険・確定申告 |
信用力 | また呼ばれる、また任される | SNS発信・紹介・挨拶・実績 |
この3つが揃っていれば、極端な話、1年目でもフリーでやっていけます。
逆に、いくら経験年数が長くても、上記が不安定だと厳しいかも。
年数ではなく、“土台”があるか
だから、最終的にはこう考えています。
フリーランス薬剤師に「何年かかるか」じゃなく、
「どれだけ土台を固められたか」がすべて
1年でも3年でも、自分の「できること」「求められること」「安心して任せてもらえること」が見えていれば、もうそれが“独立の合図”なんだと思います。
最後に|迷っている人へ伝えたいこと
「まだ経験が浅いから…」
「営業とか難しそうだし…」
そうやってフリーランスを遠ざけてしまうのは、もったいない。
僕も最初は不安だらけでした。
でも、一歩ずつ“準備”していけば、ちゃんと光は見えてきます。
もしあなたが少しでも「いつか独立したい」と思っているなら、
今日からできる準備は、たくさんあります。
- 薬局の現場で、“もう一歩深く”関わること
- 勉強したことをSNSで発信してみること
- 契約書や開業届のサンプルを見てみること
その積み重ねが、きっとあなたの背中を押してくれるはずです。
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