「フリーランス薬剤師って、特別なスキルがないと無理でしょ?」
そんなふうに言われたことがあります。
実際に僕も、フリーランスとして独立する前はそう思っていました。
派遣や業務委託で働く薬剤師=即戦力=ものすごく優秀な人。
そんなイメージがあり、自分にそんな価値があるのかと不安にもなりました。
でも、実際に飛び込んでみて分かったのは、
フリーランス薬剤師は“優秀な人”しかなれないわけではないということ。
大事なのは、「現場で求められる力を理解し、コツコツと身につけていけるかどうか」なんです。
結論:フリーランス薬剤師に特別な才能は不要。でも、誠実な努力は必須。
フリーランス薬剤師になるために、飛び抜けた才能や肩書きは必要ありません。
必要なのは、現場で役に立つ力を素直に学び、少しずつ磨いていけるかどうか。
実績よりも、現場でどう動けるか。
資格よりも、その薬局で何ができるか。
会社の評価と、現場の評価は別物です。
大事なのは、目の前の仕事にどう向き合うかだと、僕は思います。
昇格ゼロの僕が、フリーランスになった
正直に言います。
僕は大手薬局で3年間働いていましたが、昇格は一度もありませんでした。
評価のタイミングが来るたびに、「今年も現状維持か……」とがっかりしていました。
周りの同期は着々とキャリアを重ねていて、
2段階もステップアップしている人もいる中、僕はずっと足踏み状態。
別にサボっていたわけではないし、患者さんやスタッフとの関係も悪くなかった。
でも、「目に見える成果」がなかった。
それがすべてだったんだと思います。
それでも、僕は現場で必要とされたいと思った
だからこそ、会社を離れるときに考えたんです。
「じゃあ、自分は何を身につければ、薬剤師として必要とされるんだろう?」
会社という肩書きがないなら、
今度は自分の実力で評価されるしかない。
そう覚悟して、僕はフリーランス薬剤師の道を選びました。
僕が意識してきた「現場で必要とされる力」
フリーランスになってからは、とにかく「現場で活躍できる薬剤師」になることを目指してきました。
以下は、僕が特に意識して磨いてきたスキルです。
現場に即応する能力
初めての薬局に入る日、そこは誰も自分を知らない場所です。
オリエンもマニュアルもろくにない中で、
その日から業務を回せるようになる力が必要です。
分からないことはすぐ聞く。
でも、聞きすぎて迷惑にならないよう、空気も読む。
そのバランスがすごく大事で、
これは場数でしか身につかないなと感じています。
加算をバリバリ取る能力
会社員の頃は、加算は“誰かが取ってくれるもの”だと思っていました。
でもフリーになってからは、自分が提案し、実施し、数字につなげることが求められます。
- 地域支援体制加算
- 服薬支援加算
- トレーシングレポート
- 情報提供料(薬情や服薬歴管理)
これらを意識して積極的に取りにいける薬剤師は、
薬局にとって“利益を生む存在”になります。
投薬をガンガン回す能力
スピードと正確性のバランス。
患者さんとの会話の中で、副作用や残薬を拾いながら、
流れを止めず、ミスをせずに業務をこなす技術。
これも、正直、特別な才能があるわけじゃなくて、
「量をこなして工夫してきたかどうか」に尽きると思っています。
周囲とうまくやるコミュニケーション力
派遣や業務委託は、どうしても「外の人」です。
でも、薬局ってチームで動く現場だから、
周囲と信頼関係を築けるかどうかが重要なんです。
僕は、まず「相手の名前を覚える」「ちゃんと挨拶する」「感謝を言葉にする」
それだけは絶対に忘れないようにしています。
これだけでも現場の空気はガラッと変わります。
気持ちよく働けるかどうかは、技術よりもコミュニケーションだったりします。
フリーランス薬剤師は「優秀」でなくてもいい。
でも、「真摯で、努力を積める人」であることが大事。
僕自身、まだまだ発展途上です。
でも、あのまま会社の中で評価されない時間を続けていたら、
こうして成長を実感できるような日々は送れていなかったと思います。
会社では評価されなかったけど、
今は「またお願いしたい」「〇〇さん紹介してもらえますか?」と言ってもらえるようになりました。
それは“優秀だから”じゃなくて、
求められる力をコツコツ身につけてきたからだと思っています。
まとめ
- フリーランス薬剤師=特別な才能がないとできない、は誤解
- 必要なのは“評価される力”を理解して、育てていく姿勢
- 昇格ゼロの僕でも、フリーで生きていくことはできた
- 結局は、現場で役に立てるかどうか。それだけ
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