「フリーランスって、やっぱり自由なんですか?」
薬局の現場でも、よく聞かれる質問です。
結論から言うと、フリーランス薬剤師は確かに自由です。
ただし、「自由=ラク」ではありません。
手間は増える。責任も増える。
でも、自分で決められることが圧倒的に増える。
この“決められる”って感覚が、何よりも僕にとっての「自由」でした。
税金を“自分で操れる”という自由
会社員のころ、税金って「勝手に引かれてるもの」でした。
でもフリーになった途端、考え方が180度変わりました。
「あれ? 税金って、自分で調整できるんだな」と。
▷ 経費で“使った分”は差し引ける
例えば:
- 通勤や出張の交通費
- 医療やビジネス系の書籍
- 自宅兼事務所の家賃の一部(家事按分)
- スマホ代やパソコン代
こういったものが経費として計上できます。
つまり、売上−経費=課税対象になるという仕組み。
税金を払う前に、「使った分」がちゃんと差し引かれる。
会社員時代にはなかった自由です。
▷ マイクロ法人で“さらに”コントロールする自由
最近は、「マイクロ法人」という選択肢もあります。
簡単に言うと、個人の収入を法人に通すことで、社会保険や税金を最適化できる方法。
- 法人に経費を集約
- 自分には最低限の役員報酬
- 社宅化や福利厚生も利用できる
手間はかかりますが、「税金を設計できる」自由が大きいです。
仕事の予定も“交渉できる”という自由
会社員だと、配属やシフトは「決められているもの」でした。
でも、フリーランスになるとこうなります。
「契約ごとに、自分で決められる」
▷ 契約=自分と薬局の“話し合い”
ある薬局と契約するとき、こんなふうに相談します。
- 「月曜は来てくれる?」
- 「7月は3週目と4週目に来てくれると助かる」
- 「週1で来てほしいけど、忙しい日は増やしてもいい?」
それに対して、自分の希望を出します。
- 「その週は他の薬局があるので、◯日だけならOKです」
- 「逆に8月は多めに入りたいので、週2でいきましょうか?」
つまり、「はい、かしこまりました」ではなく、「こうしませんか?」と提案できる立場になります。
▷ 無理なときは断れる。入りたいときは交渉できる
- 疲れているときは、「その週は休みにしたいです」と言える
- 稼ぎたいときは、「週5でも大丈夫ですよ」と自分から提案できる
自分の状態に合わせて働き方を組み立てられる。
これが「自由だな」と感じるポイントでした。
休みも“組み立てられる”自由
フリーランスになって特にありがたかったのが、休みの取りやすさです。
会社員で1週間休むのは大ごと。
でも、フリーランスだと感覚が変わります。
▷ 週5勤務でも、実は“1週間休み”が取りやすい
以前の働き方:
- 月曜:A薬局
- 火曜:B薬局
- 水曜:C薬局
- 木曜:D薬局
- 金曜:E薬局
この状態で「1週間休みます」と伝えると…
それぞれの薬局にとっては、「週1来てた薬剤師が、その週だけ来ない」だけ。
非常勤が1回だけ休む、という感覚で受け入れてもらえます。
会社員よりも気軽に、長期休暇を自分で設計できるのが魅力です。
フリーランスの自由=自分で決めて、自分で責任を持てること
ここまでを一言でまとめると:
自由とは「何でも好きにできる」ことではなく、
「自分で決めて、自分で責任を持てる」こと。
そのために:
- お金のことは自分で管理する
- 契約は自分で交渉する
- 休みは自分で組み立てる
こうした手間はありますが、自分の意思で舵を取れるようになります。
それが、フリーランス薬剤師の「自由」です。
最後に|自由は“覚悟と引き換え”に手に入る
「もっと自由に働きたい」
「今の働き方に窮屈さを感じている」
そんな気持ちがあるなら、フリーランス薬剤師という選択肢は、きっと希望になります。
ただ、自由は与えられるものではなく、自分で取りにいくもの。
その覚悟と一歩が、あなたの働き方を大きく変えてくれるはずです。
コメント