自己紹介
こんにちは、Pharmalance(ファーマランス)のはしけんです。
僕は会社員薬剤師として3年間働いた後、
「もっと主体的に働きたい」「自分でキャリアを選びたい」
という想いから、2025年4月にフリーランス薬剤師として独立しました。
この記事で分かること
そもそもフリーランス薬剤師とは何か?
フリーランス薬剤師になるには何が必要か?
メリット・デメリットは?
将来性はあるのか?
実際になるなら、どのような行動をとればいいのか etc..
はじめに
薬局や病院に雇われて働くのが当たり前だった薬剤師業界ですが、近年はスポット勤務や業務委託というスタイルで誰にも雇われずに自由に働く人が増えてきました。
ここでは、誰にも雇われずに自由に働く薬剤師のことをフリーランス薬剤師と呼ぶことにします。
誰にも雇われず、自由であることって魅力的ですよね
しかし、フリーランス薬剤師都いう働き方はメジャーじゃないので、実態がわからないという方が多いかと思います。
そこで今回は、それらの疑問を解決するためのまとめ記事を作りました。
これからフリーランス薬剤師として独立を考えている方や興味がある方が、最初の一歩をスムーズに踏み出せるよう、リアルな体験をもとに徹底解説します。
まず初めに、フリーランス薬剤師とは何なのかを説明しますね。
フリーランス薬剤師とは?
簡単に言えば、派遣薬剤師を派遣会社に登録せず、自分でやっているような働き方
薬局に雇われるわけでも、薬局を経営するわけでもない。
それでも薬剤師として現場に立ち、収入を得る——そんな新しい選択肢です。
働く場所・時間・仕事内容を自分で選び、スケジュールを自由にデザインできるのが最大の特徴です。

具体的な働き方は?
僕自身の例でいうと、
- 3店舗と契約しており、月~土で派遣薬剤師のように調剤業務をする
- 薬剤師ライター
その他、Youtuberや健康コンサル等、その活躍範囲は多岐にわたります。
会社員時代には考えられなかった “自由度の高さ” を、フリーランスになって強く感じています。

この働き方に向いている人・向いていない人
もちろん、人には向き・不向きがありますよね。
簡単にまとめると以下のような感じです
向いている人
- 安定よりも自由を求める
- スケジュール管理や計画性が得意
- 現場の変化にすぐ馴染める
- 税務や契約などの事務作業にも挑戦できる
向いていない人
- 安定した月給・福利厚生を重視する
- 決まった環境で長く働きたい
- 契約や申告などの事務作業が苦手
- 環境の変化がストレスになる
もちろん、向いていないと感じる人でも、準備やサポート次第で十分に適応できます。
大切なのは 「自由に働きたい」という強い意志 です。

フリーランス薬剤師のメリット・デメリット
フリーランス薬剤師は、自由に働ける一方で、自己責任の重さや収入の不安定さといったデメリットもあります。
ここでは、実際に僕が3か月働いて感じたポイントをまとめました。
メリット
1.短期間で複数の現場を経験できる
一つの薬局に長く勤める正社員と違い、短期間で多くの薬局を経験できます。
診療科・調剤体制・人間関係の違いを学べ、現場対応力が格段に上がります。
2.働く時間・休みを自由に決められる
午前だけ働く、週3勤務、1か月休むなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
僕も木曜午後を休みにして、ブログ執筆や学びに時間を充てています。
3.収入の上限を自分で決められる
働き方・交渉次第で、月収50万円以上も可能。
「今月は多めに稼ぐ」「来月は控えめにする」といった調整ができるのは魅力です。
4.住む場所に縛られない
案件さえあれば全国で働けます。実家に帰省したときに短期勤務することも可能です。
5.キャリアを自分でデザインできる
在宅、漢方、経営支援など、自分がやりたい分野を優先して選択できます。
6.契約条件を交渉できる
勤務時間・日数・時給などは薬局と直接相談。柔軟に決めることができます。
7.専門性を活かしやすい
多くの現場を経験することで、自分の得意分野を明確にでき、次の案件にもつながります。
8.人脈が自然と広がる
複数の薬局で働くことで管理薬剤師や医療従事者との接点が増え、次の仕事を紹介してもらえる機会も増えます。

デメリット
1.仕事先が薬局に偏る
フリーランス薬剤師の案件は調剤薬局がほとんど。病院やドラッグストアで働くチャンスは少ないです。
2.経理・税務作業が増える
請求書、確定申告、インボイス登録など、会社員時代にはなかった事務作業をすべて自分で行う必要があります。
3.収入が安定しない
契約終了や急なキャンセルがあれば、翌月の収入がゼロになることも。
複数案件の確保や貯金は欠かせません。
4.案件探しに手間がかかる
特に独立初期は「どう契約を取ればいいのか?」という不安が大きく、営業・交渉が必要です。
5.社会的信用が低くなりやすい
クレジットカードや住宅ローンの審査で不利になる場合があります。収入証明や契約書類の用意がカギです。
6.福利厚生がない
有給休暇・厚生年金・産休・育休がなく、すべて自分で管理・準備する必要があります。
7.体調不良が直接収入に響く
フリーランスには有給がないため、休む=収入ゼロ。健康管理・保険・貯蓄がより重要になります。
いかがですか?
やはり、働くならそのメリット・デメリットは十分に把握する必要があるのはどの職種でも共通ですよね。

次は、フリーランス薬剤師の将来性について話します
フリーランス薬剤師の将来性は?
「この働き方、ずっと続けられるのかな?」
「仕事がなくなったらどうしよう?」
「年齢を重ねたとき契約が取れなくなるのでは?」
僕自身、独立したばかりの頃はこうした不安でいっぱいでした。
会社員のような雇用契約がなく、すべてが自己責任。
安定という言葉からは遠ざかる働き方に、正直なところ勇気が必要でした。
ですが実際に現場に出てみて、今ではこう思っています。
「フリーランス薬剤師の需要は、むしろ今後増えるのではないか。」
需要が続く理由①:地方の深刻な人手不足
特に地方の薬局では、人手不足が慢性化しています。
正社員を募集しても応募が来ない。派遣でもすぐ埋まらない。
それでも処方箋は日々増え、患者さんのために薬局は回さなくてはなりません。
「今週だけでも助けてくれる人がほしい」
「この繁忙期だけ応援してほしい」
こうした切実な声は、現場では珍しくありません。
フリーランス薬剤師は、必要な時に即戦力として入れるため、地方の薬局にとって非常に重宝されます。
需要が続く理由②:教育や管理コストの削減
フリーランス薬剤師は、**「自分のことは自分でやる」**が前提の働き方です。
新人教育が不要で、シフト管理や人事評価も不要。
薬局側は、依頼した期間だけ経験者を投入できるため、教育コストがかかりません。
忙しい店舗では「説明しなくても動ける存在」が何より助かります。
実際、スポットで入った薬局からも
「教育する手間がなくて助かる」
「1日目から現場を回せる」
と感謝されることが多く、フリーランスの合理性を感じます。
需要が続く理由③:雇用リスクを避けたい薬局が増えている
薬局にとって、正社員を雇うことは負担も多いです。
社会保険料や有給管理、退職金、人間関係のトラブルなど、固定費とリスクを抱えます。
その点、フリーランスは必要なときに契約し、業務委託料としてコストをコントロールできる。
経営者から見れば、これはとても合理的な選択です。
今後も需要が続く背景
- 高齢化により外来・在宅業務が増加
- 一包化や在宅訪問などの負担増
- 都市部は派遣で補えるが、地方は人が集まりにくい
- 処方箋枚数の波をスポット勤務で調整するニーズ
現場のリアルな課題を見る限り、フリーランス薬剤師が求められる状況は今後もしばらく続くと思います。

もちろんリスクはある
全てが順調というわけではありません。
- 処方箋枚数の減少でスポットが減る
- 派遣会社の競争で単価が下がる可能性
- 自分が病気やケガで動けなくなれば収入ゼロ
このため、「自分で自分を管理する覚悟」 が何より重要です。
僕が感じる将来性
正直、僕自身も「ずっとフリーランス一本で行くか」はまだ決めていません。
それでも、今はこの働き方が一番自分に合っていると感じています。
いろんな薬局で働き、経営者やスタッフと直接話をすることで、
薬剤師業界のリアルな課題を肌で感じることができる。
「自分のことは自分で決める自由」
これが、フリーランスという働き方の最大の魅力であり、将来性を感じる理由でもあります。
始めるための事務作業リスト
フリーランス薬剤師として働くためには、最初にいくつかの手続きを済ませる必要があります。
ここをスムーズに進めておくことで、契約や請求、税務対応が楽になります。
1.円満退職
まずは今の職場をスムーズに辞めることが大切です。
- 退職は2〜3か月前には伝える(シフト調整のため)
- 有給消化の計算を早めに進める
- お世話になったスタッフへの感謝を忘れない
退職時の対応ひとつで、その後の人脈や紹介につながることもあります。

2.開業届を提出
フリーランスとして仕事を始めるなら、税務署に「開業届」を提出します。
提出期限は開業日から1か月以内が目安です。
開業届は「個人事業主として活動する宣言」なので、業務委託契約や請求書の作成には必須です。

3.インボイス登録
2023年から始まったインボイス制度により、適格請求書発行事業者の登録が必要になる場合があります。
薬局が課税事業者であれば、インボイス番号の有無を求められることも多いです。
僕は開業と同時に登録しました。

4.社会保険の切り替え
会社員を辞めたら、社会保険から国民健康保険・国民年金に切り替えます。
- 国民年金への加入手続き
- 国民健康保険の加入(または任意継続を検討)
フリーランスは社会保険料が一気に増えるため、節税や将来の保険プランも意識したいところです。

5.賠償責任保険に加入
調剤過誤や投薬ミスのリスクに備えるため、薬剤師賠償責任保険は必須です。
僕は都道府県薬剤師会を通じて加入しましたが、これによりトラブル時の安心感が大きく違います。

6.確定申告の準備
フリーランスは、自分で確定申告を行う必要があります。
- 青色申告か白色申告かを決める
- マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計ソフトを導入する
- 領収書や経費記録を日々整理する習慣をつける
始めるための書類作成リスト
フリーランス薬剤師として活動するためには、最低限のビジネス書類を準備しておくことが必須です。
薬局や取引先と契約を結ぶ際、これらの書類が揃っていると信頼度が格段に上がります。
1.名刺を作成する
会社員時代と違い、フリーランスは “自分自身がブランド” です。
初対面の薬局や管理薬剤師に名刺を渡すのは基本中の基本。
- 名前・連絡先・屋号(あれば)
- フリーランス薬剤師であることを明記
- シンプルで読みやすいデザインにする
僕は自分の屋号「Pharmalance」を入れた名刺を作ったことで、話題のきっかけにもなりました。
2.業務委託契約書を用意する
フリーランス薬剤師の働き方は **雇用契約ではなく「業務委託契約」**です。
契約内容をきちんと書面化することで、後々のトラブルを防げます。
- 報酬(時給・日給)や支払い期日
- 勤務日数や時間帯
- 交通費やキャンセルポリシー
初めての契約先では、自分から契約書の雛形を提案するとスムーズに話が進むことがあります。
3.請求書を作成できるようにする
フリーランスは、毎月 自分で報酬の請求書を発行します。
- 請求書番号・日付・振込口座
- 業務日数・交通費・税区分(消費税)
- インボイス登録番号(課税事業者の場合)
僕はエクセルでテンプレートを作り、毎月コピペして効率化しています。
クラウド請求書サービス(マネーフォワード・Misoca)を使うとさらに楽です。

4.その他のビジネスツール
- 電子印鑑(シャチハタの電子版):請求書や契約書に使用
- メール署名:屋号・電話番号・メールアドレスを記載
始めるための準備品リスト
フリーランス薬剤師は、初めての現場に入る際も「即戦力」として求められます。
そのため、最低限の業務道具は自分で用意しておくことが必須です。
ここでは、僕自身が実際に揃えて良かったものをリストアップします。
1.白衣
薬局によって貸出がある場合もありますが、基本は自分用の白衣を持参した方が安心です。
- 半袖・長袖どちらも用意して季節や業務内容に対応
- 清潔感重視(定期的に買い替え)
- 名前の刺繍があると信頼度アップ
2.靴(調剤用シューズ)
立ち仕事が多いため、クッション性が高く滑りにくい靴がおすすめです。
- ナースシューズや軽量スニーカーが人気
- 現場に合わせて黒・白などシンプルな色を選ぶ
3.筆記用具
現場ごとに指示やメモを取る機会が多いので、ボールペン・マーカー・小型ノートを常備します。
- インクが濃い黒ボールペンが1本あると便利
- 予備ペンを2~3本持っておくと安心
4.横判(ネームスタンプ)
薬歴や調剤記録にサインするために 自分の横判(フルネーム印) を持っておくと効率的です。
- シャチハタタイプが便利
- 印影ははっきり読める書体を選ぶ
5.印鑑
契約書や請求書など、ビジネス上の書類に必要となる場合があります。
- 認印(銀行印ではないもの)を1本常備
- 契約先に提出する際に備える
6.薬剤師免許証のコピー
初めての勤務先では 免許証コピーの提出が必須です。
- 事前に2~3部コピーしてファイルに保管
- PDFスキャンしておくとオンライン提出にも便利
7.保険薬剤師登録票のコピー
調剤業務に関わる証明として、こちらのコピーもよく求められます。
- 紛失時は再発行に時間がかかるため、スキャンデータも準備
8.名札・IDカードケース(必要に応じて)
薬局によっては 名前の見える名札が必須な場合もあります。
クリップ型のIDケースに名刺を入れて代用するのもおすすめです。
これらの道具をひとまとめにしておくと、
「初めての薬局でも即対応できる安心感」 につながります。
業務委託契約先の薬局を探す方法
フリーランス薬剤師として働くためには、まず契約先となる薬局を見つける必要があります。
ここでは、僕が実際に行った方法や、現場で有効だと感じたアプローチを紹介します。
1.派遣勤務から直接契約に切り替える
僕が最初の契約を得たのは、派遣の単発勤務で入った薬局の事務さんからの紹介でした。
- 「派遣で入るとコストが高いので、直接契約のほうが助かる」と言われることも多い
- 単発勤務時に、自分のスキルや人柄を見てもらうことが大きなチャンス
現場で「この人なら安心してお願いできる」と思われれば、そのまま直接契約に進むケースもあります。

2.知人・薬局関係者からの紹介
薬剤師業界は意外と狭く、人脈や口コミが仕事につながることがあります。
- 過去の勤務先や派遣先の管理薬剤師から紹介される
- 同業の友人・知人経由で空いている店舗を教えてもらう
- 勉強会や地域薬剤師会で関係をつくる
信頼関係をベースにした紹介は、最もスムーズでトラブルが少ない契約ルートです。
3.直接営業(飛び込み・電話)
勇気は必要ですが、直接営業も効果的です。
- 「人手が不足している」と聞いた薬局に直接提案
- 「派遣よりも安く、柔軟に対応できる」とアピール
- 名刺と簡単な自己紹介資料を持参すると信頼度が増します
僕も実際に、スポットで働いた薬局が“当たり店舗”だと感じたら、その場で契約の提案をしたことがあります。
4.フリーランス薬剤師向け案件サイト・SNSを活用
最近は、フリーランス向け案件を扱うマッチングサイトやSNSが増えています。
- FacebookやX(旧Twitter)の薬剤師コミュニティ
- フリーランス薬剤師専門の案件サイト
- 個人ブログやInstagramからの問い合わせ
発信していると、「○月に人手が足りない薬局があるんだけど…」と連絡をいただくこともあります。
5.“選ばれる人”になるためのコツ
- 返信は早く、スケジュール調整は柔軟に対応
- 薬歴や加算取得を丁寧にこなす
- 挨拶・礼儀・現場適応力を重視
- 名刺や契約書などの準備をしっかり行い、**「信頼できるフリーランス」**を印象づける
フリーランス薬剤師の仕事は、最初の契約が最大のハードルです。
ですが一度契約が取れれば、リピートや紹介で新しい案件が自然と増えていきます。
最初の一歩は「知人や派遣先の従業員からの紹介」が特におすすめです。

仕事が軌道に乗るまでの営業戦略
フリーランス薬剤師として独立したばかりの時期は、**「どうやって案件を増やせばいいのか?」**が最大の課題です。
最初は知名度もなく不安に感じることもありますが、コツは「信頼を積み重ね、繰り返し依頼される人になる」ことです。
ここでは、僕が実践して効果を感じた営業戦略を紹介します。
1.まずは小さな実績を積む
初めのうちは、小規模な案件でも全力で対応することが大切です。
- 初めての薬局でも“即戦力”と感じてもらえるよう、柔軟に動く
- 短時間勤務でも丁寧に仕上げる
- 現場スタッフから信頼されることで、**「次もお願いしたい」**という声が自然と増える
2.信頼感を大切にする
フリーランスにとって信頼は命です。
- 時間厳守・挨拶・レスポンスの速さは最も大切なポイント
- 薬歴・監査・投薬の精度は当然のこと、気配りや連携力も評価されます
- 連絡があったら “即レス” を心がけるだけでも「仕事がしやすい人」という印象を与えられます

3.名刺とメール対応でプロ感を出す
- 名刺は必須。初対面で「フリーランス薬剤師」としての印象をしっかり残す
- メールには簡単な署名(名前・屋号・連絡先)を入れて、ビジネス感を演出
- 請求書や契約書などの書類を、すぐに出せる状態にしておくことで信頼度が一気に上がります
4.紹介ルートを広げる
案件を安定させるためには、紹介やリピートを増やすことが最重要です。
- 一度仕事をした薬局で好印象を残す
- 管理薬剤師や経営者に「またお願いします」と言われるような働き方を意識
- 人脈が広がると、**「○○薬局で困ってるみたいだから行ってみない?」**という紹介が来るようになります
5.SNS・ブログ発信で営業する
SNSやブログでの発信は、**“自分を見つけてもらう営業”**になります。
- Instagramで「フリーランス薬剤師の働き方」を投稿
- ブログで「実績や得意分野」をまとめておく
- オーナーや管理者が検索して、直接問い合わせをくれることもあります
6.単価交渉はタイミングを見極める
初期の段階で無理に高単価を求めるより、「まずは信頼関係を築く」ことが先決です。
実績を重ねて評価されてから、
**「次回からはこの条件でお願いできますか?」**と交渉する方がスムーズに通ります。
仕事が安定するまでは、レスポンスの速さ・礼儀・現場適応力が最大の武器です。
一度信頼を得られれば、リピートや紹介で仕事が増え、営業に時間を割く必要がほとんどなくなります。

リスク管理とお金の守り方
フリーランス薬剤師の最大の弱点は、**「守ってくれる組織がない」**ことです。
体調不良や契約終了で収入がゼロになる可能性もあれば、税金や社会保険も自分で管理しなければなりません。
ここでは、僕自身が実践している リスク回避とお金の守り方 を紹介します。
1.複数の契約先を持つ
収入を一つの薬局に依存すると、契約終了=収入ゼロというリスクが高まります。
- 複数の薬局とスポット契約を組み合わせる
- 固定シフトと単発シフトをバランスよく組む
- 「月の収入源は最低2〜3本」あると安心
2.緊急時のために貯金を確保する
フリーランスは 有給がない=休めば即収入ゼロ です。
- 生活費3〜6か月分は「手を付けない貯金」として確保
- 体調不良や契約キャンセルに備えて 予備資金の口座を作る

3.薬剤師賠償責任保険に加入する
調剤ミスや投薬過誤のリスクはゼロではありません。
- 都道府県薬剤師会の賠償責任保険は必須
- 個人加入でも年間1万円前後で安心感が得られる
4.帳簿・税務管理を徹底する
フリーランスは 確定申告をしっかり行うことが信用の第一歩です。
- マネーフォワードやfreeeで日々の経費・売上を管理
- 交通費、文具、会議費など経費の証拠(領収書)を整理
- 消費税の 簡易課税制度を検討(手残りが増える場合あり)
5.社会保険と年金の対策
国民健康保険・国民年金に加入するだけでなく、iDeCoや小規模企業共済など節税効果のある制度を活用することで、
**「税金対策+老後資金の準備」**を両立できます。
6.健康管理は最大の自己防衛
フリーランスにとって、働けない=収入ゼロです。
- 睡眠・食事・運動を意識した生活
- 無理な連勤は避け、余裕を持ったシフトを組む
- 健康診断やストレスケアも定期的に行う
フリーランス薬剤師は自由で稼ぎやすい働き方ですが、リスク管理とお金の守り方が甘いと一気に不安定になります。
- 複数契約と貯金
- 賠償保険
- 税務・社会保険・健康管理
この3つを徹底することが、長く続けるための必須条件です。
フリーランス薬剤師の1日のスケジュール例
フリーランス薬剤師は、勤務先や契約内容によって1日の流れが大きく変わります。
ここでは、僕の現在の働き方(平日)を例にしたスケジュールを紹介します。
僕の契約状況と勤務日数
現在、3つの薬局と業務委託契約を結んでおり、
- 月〜金:1日10.5時間(休憩含む)
- 土曜日:午前のみ(約3時間勤務)
基本的な業務は、調剤・監査・投薬・薬歴入力・在宅支援など、会社員薬剤師と大きくは変わりません。
ただし、薬局ごとにレセコンや分包機、オペレーションが異なるため、対応力が常に求められます。
通勤と交通費事情
勤務地は日によって変わり、遠い場所だと片道1時間かかることもあります。
交通費は毎月の請求書に実費を記載して、契約先から対応いただいています。
混雑する時間帯を避ける工夫をすることで、体力温存を心がけています。
1日の流れ(平日)
時間帯 | 内容 |
---|---|
5:30〜7:30 | 起床・コーヒー・ブログ執筆 or 勉強 |
7:30〜8:30 | 通勤 |
9:00〜13:00 | 調剤、監査、投薬対応 |
13:00〜14:00 | 休憩(昼食) |
14:00〜18:30 | 投薬、薬歴入力、一包化、在宅支援 |
19:00ごろ | 業務終了・帰宅 |
20:00〜21:00 | 夕食・リラックスタイム |
22:00までに就寝 | 睡眠をしっかり確保 |
朝の時間が1日を左右する
僕にとって、早朝は最も大事な時間です。
コーヒーをゆっくり淹れ、ブログを書いたり勉強したりすることで、1日の充実度が大きく変わります。
「朝を制する者は人生を制する」――これは実感として強く思っています。

業務内容と求められるスキル
フリーランス薬剤師は、即戦力で動くことが前提です。
- 投薬・監査
- 一包化や予製作り
- 施設在宅対応(同行)
- 棚卸や在庫確認などの店舗管理
特に、一人薬剤師として勤務することもあるため、**「初めての店舗でも素早く業務に慣れる力」**が重要です。

やりがいと大変さ
やりがい
- 経営者やスタッフから「来てくれて助かる」と言ってもらえる
- 患者さんからの感謝の言葉
- 自分の働き方をデザインできる自由
大変さ
- 長時間労働での疲労
- 棚卸や管理業務は正直苦手
- すべて自己責任のため気を抜けない

自由と責任のバランス
フリーランスは働き方の自由度が高い一方、労働基準法の保護は受けられません。
働きすぎないよう、自分でシフトを調整し、請求書・税務処理・保険の手続きも自分で行います。
ですが、そのおかげで 「税金やお金に強い薬剤師」 へ成長できていると実感しています。
休日と夜の過ごし方
- 土曜は午前だけ働き、午後はリフレッシュや週の振り返り
- 日曜はブログ執筆や勉強など自己投資の時間
- 夜は早寝を心がけ、22時には就寝
**「自分の時間をコントロールできる」**のはフリーランス最大の魅力の一つです。
フリーランス薬剤師の1日は、自由と責任のバランスで成り立っています。
守られる環境ではなく、自分で考えて行動するからこそ、得られる成長と自由があります。
毎日の積み重ねが、未来の自分をつくる――その実感を持ちながら今日も薬局に立っています
まとめ|まず動くための3ステップ
フリーランス薬剤師として働くことは、自由と責任が隣り合わせです。
確かに、収入の安定や社会的信用など、会社員のような安心感はありません。
しかし、「自分で働き方を選べる自由」 はその不安を超える大きな価値があります。
これからフリーランスを目指したい方に、僕から伝えたい 3つの最初のステップ をまとめます。
ステップ1:情報収集と自己分析
- フリーランス薬剤師の働き方、報酬相場、必要なスキルを調べる
- 「なぜフリーランスになりたいのか」 を明確にする
- メリット・デメリットを理解した上で、自分に合っているか判断する
ステップ2:開業と事務手続きの準備
- 開業届・インボイス登録・賠償責任保険加入を済ませる
- 名刺・契約書・請求書など、ビジネスに必要な書類を整える
- 簡単な会計ソフトを導入し、税金や経費の管理を始める
ステップ3:まずは小さな行動を起こす
- 知人や薬剤師仲間に「フリーで動いている」と伝える
- 薬剤師会や勉強会でネットワークを作る
- SNSやブログで自分の活動や強みを発信する
最後に
フリーランス薬剤師は、**「一歩踏み出す勇気」と「継続する力」**があれば確実に道が開けます。
僕自身も、最初の契約が決まるまでは不安だらけでしたが、
行動することで紹介や新しいチャンスが自然と増えていきました。
迷っているなら、まずは小さな一歩を踏み出すこと。
それが、あなたの働き方と人生を大きく変えるきっかけになるはずです。
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