こんにちは、Pharmalance(ファーマランス)代表の橋本です。
薬剤師として3年間会社員を経験したあと、派遣薬剤師、そしてフリーランス薬剤師として歩み始めました。
この記事では、実際に派遣とフリーランスの両方を経験した僕自身の視点から、
それぞれの働き方のリアルな違いや、良さ・難しさを正直に語っていきます。
派遣で働いたときの“安心感”と“違和感”
派遣として最初に薬局で働いたとき、まず感じたのは「やりやすさ」でした。
向こうは“派遣の人が来る”と分かっていて、すでに慣れている様子。
こちらも細かい説明を受けることなく、スムーズに業務に入ることができました。
交通費も支給され、白衣も準備済み。
自分で持っていったのは「印鑑と免許証と、やる気」だけ。
まさに「薬剤師業務にだけ集中できる環境」が整っていたんです。
ただ、その一方で、心のどこかに小さな違和感もありました。
それは、マージンの存在です。
僕の報酬から、毎時1,500円ほどが派遣会社に抜かれている――。
薬局側にとっても痛いだろうなと思いながら、働いていました。
一見すると時給は高い。でも、その裏側を知ってしまうと、「これは本当に自分の価値が評価されている形なのか?」と考えるようになりました。
フリーランスになって感じた、“人脈”と“交渉の自由”
一方、フリーランスとして薬局と業務委託契約を結んで働きはじめたとき、
最も大きな違いを感じたのが、交渉の自由です。
時給、勤務時間、働き方――すべてが交渉次第。
「この日は少し遅めに入れませんか?」
「この店舗は忙しいので、単価を上げていただけますか?」
そんなお願いが、直接できるようになりました。
そしてもうひとつ。
社長や薬局オーナーと直接話す機会が増え、人脈が広がったのも大きな変化でした。
派遣のときは、上層部と関わることはほぼありません。
自分の価値や提案が、薬局経営に反映される感覚はほとんどない。
でも、フリーランスになると、経営者と直接話す中で「どんな人材が求められているか」が肌でわかるようになってきます。
もちろん、責任も重くなります。
労働基準法の保護は基本的になくなります。
働きまくるのも自由、休むのも自由。全部、自己責任です。
派遣とフリーランス、それぞれの「良さ」を一言で言うなら
僕にとって、
派遣の良さは 「安定感」。
フリーランスの良さは 「自由と主体性」です。
派遣は、「とりあえず働きたい」「すぐに収入が必要」「新しい薬局で気軽に経験を積みたい」という人に向いています。
自分で交渉や契約をする必要もなく、事務的な手間も少ないので、とても楽です。
フリーランスは、「自分の裁量で働きたい」「報酬を上げたい」「仕事に責任と手応えを持ちたい」という人に向いています。
交渉や契約、確定申告など大変なことも多いですが、その分“自分の仕事を自分で作っている実感”があります。
【比較表】派遣薬剤師とフリーランス薬剤師の違いまとめ
項目 | 派遣薬剤師 | フリーランス薬剤師 |
---|---|---|
雇用関係 | 派遣会社と雇用契約 | 薬局と業務委託契約(個人事業主) |
報酬形態 | 給与所得 | 事業所得(経費計上OK) |
保険・年金 | 社会保険あり | 国民健康保険 or 任意継続 |
マージン | 発生(15〜40%) | 基本的に発生しない |
契約交渉 | なし(派遣会社が代行) | 自分で交渉 |
つながり | 現場スタッフ中心 | 経営層とも交流あり |
働き方 | 安定・指示通り | 自由・自己責任 |
フリーランスになるために意識したこと
契約交渉では、言い方やタイミングに注意しました。
たとえば報酬アップを提案するときは、「ここは忙しそうなので、今回は+〇円でお願いできませんか?」と、相手の事情も考慮しながら話すようにするといいと思います。
大切なのは、「相手も困っている」ことを理解した上で交渉すること。
こちらの利益だけを求めるのではなく、“一緒に助け合う”感覚で契約を組み立てることで、継続的な信頼関係にもつながります。
未来の働き方をどう描いているか
僕は今後、フリーランス薬剤師としての経験を活かして、
**「これからフリーランスになりたい人をサポートする仕組み」**を作っていきたいと考えています。
僕自身、最初は孤独でした。
開業届の書き方も、契約書の作り方も、すべて手探りでした。
でも今では、自分の裁量で働けるやりがいを感じています。
これからこの道を目指す薬剤師がいたとき、
「誰かが一緒に並走してくれる」そんな存在になれたら嬉しいです。
まとめ:どちらが正解かは、自分が決める
派遣も、フリーランスも、どちらも立派な働き方です。
大切なのは、自分が今どういうフェーズにいて、どんな価値を大切にしたいか。
安定がほしいなら、派遣。
主体性と自由がほしいなら、フリーランス。
僕は、後者を選びました。
あなたは、どちらを選びますか?
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