
モデル年収で1年間で支払う税や保険料を把握しよう!
まずは結論から!

内訳はこんな感じ
フリーランス薬剤師(個人事業主)が関わる税金は基本この4つ。

- 所得税 … 1年分をまとめて申告・納付(2/16〜3/15頃)
- 住民税 … 前年の所得ベース。6月に通知、一括 or 4期で納付(6・8・10・1月)
- 個人事業税 … 事業所得−290万円超に課税。薬剤師業の税率は5%。納付は8月・11月
- 消費税 … 売上が一定規模(1000万円以上)で課税。インボイス対応あり

社会保険(国保・任意継続)や国民年金は税金ではなく保険料。
でも資金繰り上はセットで考えるのが現実的。
年間カレンダー(保存版)
ここはざっくりイメージをつかんでください!
- 1〜12月:売上・経費を記帳(会計ソフト推奨)
- 2/16〜3/15:所得税の確定申告・納付(e-Tax推奨)
- 3/31まで:消費税申告(課税事業者のみ)
- 6月:住民税の納付書到着 → 一括 or 4期(6・8・10・1)で納付
- 7月・11月:予定納税(該当者のみ:前年の所得税が15万円超等)
- 8月・11月:個人事業税の納付(対象者のみ)

予定納税とは?
「翌年にまとめて払うと大変だから、あらかじめ分割で払ってね」という制度です。
前年の所得税が 15万円以上 だった場合、翌年の7月と11月に「前払い」する形で通知が届きます。
- 7月…予定納税第1期
- 11月…予定納税第2期
- 翌年3月…確定申告で清算
もし払った分が多ければ還付されますし、少なければ差額を追加で払います。
収入が前年より大幅に減った場合は「減額申請」を出すこともできます。

それぞれの税金について見ていきましょう
税金①:所得税(確定申告のキモ)
- 対象:売上−必要経費=所得に課税
- やること:毎年2/16〜3/15に申告・納付(e-Tax可)
- 青色申告のメリット
- 青色申告特別控除 最大65万円
(電子申告+電子帳簿保存等が条件/55万円・10万円控除の区分もあり)。 - 家事按分・減価償却などを適切に使える
- 青色申告特別控除 最大65万円

「税積立の癖付け」をしよう。
毎月、売上の〇%を“税金口座”に自動で移す。
割合は経費率次第ですが、独立1年目はざっくり25〜35%を置いておくと
資金ショックを避けやすいです(予定納税の可能性もあるため)。
税金②:住民税(10%+均等割)
- 中身:**所得割(概ね10%)+均等割(定額)**の合計。
- 納付:6月に市区町村から納付書。一括 or 4期(6/8/10/1)で納付。

課税所得を下げる=住民税も下がる
青色控除・小規模企業共済・iDeCo・生命保険料控除などの“控除”は
住民税にも効くことが多いです!
税金③:個人事業税(見落としがち)
- 式:前年の事業所得−290万円に、業種ごとの税率。薬剤師業は5%。
- 納付:8月・11月に都道府県から納付書が届く(自治体所管)。

個人事業税は売上−経費=事業所得から290万円を引いた残りに税率5%をかけます。
青色申告の65万円控除などはここには関係しないので注意!
“290万円控除”はあくまで個人事業税だけの特別ルールなんです。
税金④:消費税(課税・免税&インボイス)
- 免税の基準:原則、基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下は免税事業者。特定期間の判定もあり。
- 簡易課税:課税事業者になったら選べる方式。薬剤師の業務は通常**サービス業(第5種)のみなし仕入率50%**が目安。
- インボイスの経過措置:未登録者からの仕入の控除は**80%→50%→0%**へ段階的に縮小(〜2029/9)。
インボイス制度まわりはごちゃごちゃしてて正直わかりにくいです。
でもフリーランス薬剤師としては、これだけ覚えておけば大丈夫👇

1️⃣ 売上が 1,000万円以下なら消費税は免除(=課税されない)
2️⃣ 課税事業者になったら「簡易課税(みなし仕入率50%)」を選ぶのが現実的
3️⃣ インボイス制度は2029年まで猶予あり。薬局に登録を求められたら検討、それまでは免税のままでもOK
経費をうまく活用すれば、税金の負担をぐっと減らせます。
とはいえ「どこまでが経費になるの?」って最初は悩むもの。
そこで次に、フリーランス薬剤師が実際に経費にしやすいものリストをまとめました。
経費にしやすい“現場系”リスト
- 白衣・シューズ・名札・印鑑
- 研修費・学会費・薬剤師会費・専門書
- 業務で使うPC/プリンタ/通信費(按分)
- 現場への交通費・出張時の宿泊費
- 賠償責任保険の保険料(業務に必要な範囲)

“必要経費”は業務関連性がポイント。迷ったら税理士 or 税務署に確認を。
はじめの一歩チェックリスト
独立前〜直後
- 開業届+青色申告承認申請(e-Taxで)
- 請求書テンプレをインボイス対応で用意
- 会計ソフト導入・口座/カードを事業用に分ける
- 賠償責任保険に加入(薬剤師会 or 民間)
毎月
- 取引の記帳・レシート保存(電子でもOK)
- 税金口座へ自動振替(売上の25〜35%目安)
- 請求・入金照合(消費税区分もチェック)
年1回
- 1〜12月の〆 → 青色65万控除条件を満たして申告
- 住民税・個人事業税・消費税(該当時)の納付
- 予定納税の該当チェック(15万円超 etc)
よくある質問(サクッと)
Q. 初年度は税金、いつ払う?
A. 初年度はまだ前年度の実績がないので「予定納税」はありません。
ただし、翌年からまとめて請求がやってきます。
- 所得税 → 翌年3月15日までに確定申告+納付
- 住民税 → 翌年6月から納付書が届き、一括(6月末)または4期分割(6・8・10・翌1月)
- 個人事業税 → 所得が290万円を超えた場合のみ、翌年8月・11月に納付書が届く
- 消費税 → 売上1,000万円を超えた2年後から納付義務(課税事業者の場合は翌年3月に確定申告)
💡 ポイント
初年度は「住民税と個人事業税が来ない」と勘違いしがちですが、ただ翌年に回っているだけです。油断禁物。
Q. 青色65万円控除はどうすればできる?
A. 青色申告には控除が3種類あり、最大65万円控除を受けるには条件があります。
- 10万円控除 → 開業届+青色申告承認申請を出すだけ
- 55万円控除 → 複式簿記で帳簿付け+青色申告
- 65万円控除 → 上記+電子帳簿保存 or e-Taxでの提出
会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生など)を使えば、複式簿記やe-Tax対応はそこまで難しくありません。
💡 ポイント
65万円控除は「節税の王道」。たとえば課税所得が500万円なら、65万円控除で約10万円の節税になります。
Q. 簡易課税って使える?
A. 簡易課税制度は、消費税の計算をシンプルにする仕組み。事前に「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
- 本則課税 → 売上消費税 - 仕入消費税で計算
- 簡易課税 → 売上消費税 × (1 − みなし仕入率) で計算
薬剤師業務は 第5種(サービス業)=みなし仕入率50% が一般的。
つまり「売上にかかる消費税の半分は仕入に使ったことにする」という計算ができます。
💡 ポイント
薬剤師のように仕入れが少ない業種は、簡易課税を選ぶと本則課税より有利になりやすいです。
ただし、一度選ぶと2年間は変更できないので注意。
まとめ|“怖さ”は「仕組み」と「貯め方」で消える
- 税金は4種類。いつ・何を・いくら、をカレンダーで把握。
- 青色申告+控除で“下げる”、税積立口座で“備える”。
- インボイスは取引先と自分の規模で現実的に判断。
迷っても大丈夫。毎月の積立と、年1回の正しい申告。
それだけで“恐怖の確定申告”は“作業”になります。
参考(一次情報)
- 所得税の申告時期(2/16〜3/15)— 国税庁。国税庁
- 予定納税の要件(基準額15万円超ほか)— 国税庁。国税庁計算サイト
- 青色申告特別控除(65万/55万/10万)— 国税庁。
- 個人事業税(290万円控除・薬剤師5%・8月/11月納付)— 大阪府資料。
- 消費税の課税/免税の基準(基準期間・特定期間)— 国税庁。神青 かみあお
- インボイスの経過措置(80%→50%→0%)— 国税庁。kanae-keiei.co.jp
- 住民税(所得割+均等割の仕組み)— 横浜市/川崎市/広島市。横浜市公式サイト川崎市公式ウェブサイトcity.hiroshima.lg.jp
- 住民税の納期(6・8・10・1月)— 中野区。バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」
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