「フリーランス薬剤師って、薬の知識やスピードがすごい人じゃないと無理ですか?」
そんなふうに聞かれることがあります。
もちろん、技術や即応力は大事です。ですが、僕がフリーになって特に感じたのは、それ以上に大切な“視点”があるということ。
それは――“経営者目線”。
これを持てるかどうかで、現場での評価、契約の継続、そしてフリーランス薬剤師としての生き残り方まで、大きく変わってきます。
自己紹介文(読み飛ばしOK)
こんにちは、フリーランス薬剤師として活動している橋本です。
新卒で大手薬局に就職し、3年間勤務した後、「自分の裁量で働きたい」という思いから独立しました。
現在は、業務委託契約で複数の薬局をまわりながら、加算取得・在宅対応・現場支援など、薬局に貢献できる薬剤師を目指して日々奮闘しています。
結論:フリーランス薬剤師は「経営者目線」で動けるかが鍵
フリーランス薬剤師は雇用されているわけではなく、業務委託契約を結んで働いている“個人事業主”です。
つまり、薬局の「従業員」ではなく、「外部パートナー」。
この立場を理解しているかどうかで、働き方はまるで変わります。
言われたことをこなすだけでは、次の依頼にはつながりません。
「この人が来ると薬局が回る」「助かった」と思ってもらえるような動き方ができるかどうか。
そのためには、薬局の経営を支えるような働き方=経営者目線が必要不可欠なんです。
なぜ“経営者目線”が必要なのか?
薬局経営は、今や簡単なビジネスではありません。
後発医薬品の価格下落、在宅や地域包括ケアへの対応、調剤報酬の改定など、
目まぐるしく変わる制度の中で、限られた人員と時間で最大の成果を出すことが求められています。
そんな中で、ただ言われた通りに調剤だけをする薬剤師と、
「薬局にプラスをもたらす動き」を自発的にできる薬剤師、
どちらが価値を感じてもらえるかは明らかです。
僕自身が意識している“経営者目線”の行動
✅ 1. 加算を“ガンガン”取る
調剤報酬の中でも、加算は重要な収益源です。
服薬支援加算や地域支援体制加算、トレーシングレポートなど、積極的に取りにいきます。
これらを「薬局がやるもの」と他人任せにせず、
「このケースは算定できるのでは?」と自分から提案し、
実際にアクションを取れる薬剤師は、薬局にとって非常に心強い存在になります。
✅ 2. 在宅の提案・確保まで意識する
薬局によっては、在宅をやりたいけど体制が整っていない、どう進めたらいいかわからないというケースも多いです。
そこで、たとえば
- 「この患者さん、服薬コンプライアンスに問題があり、在宅対応が望ましいかも」
- 「訪問診療をしている先生が近くにいるので、提案してみましょうか」
など、薬局の売上を増やす導線を自ら引ける薬剤師は信頼されやすいです。
単に「やってくれ」と言われるのではなく、「提案できる人」になるのがポイント。
✅ 3. 現場を“ガンガン”回す
業務が詰まっていれば、分包やピッキングに入り、
投薬が滞っていれば、すぐ前に出る。
調剤台でも、入力でも、何でもやる。
これが「全部俺の仕事じゃないんだけどな」と思いながらやるか、
「今この薬局にとって最適な動きをしよう」と思って動くかでは、結果が全く違ってきます。
✅ 4. 雰囲気をよくする工夫をする
たとえば挨拶、ちょっとした声かけ、
「助かります」「やりますよ」の一言。
薬局の雰囲気が良くなると、
スタッフの動きも変わるし、患者さんの表情も変わる。
場を整える意識は、立派な経営貢献だと思っています。
経営者目線で動ける薬剤師は、“次も呼ばれる”
僕がこれまで契約を継続してもらえたケース、
別の薬局から「〇〇さんに来てもらえませんか?」と声をかけてもらえたとき、
そこには共通していたことがあります。
それは、「ただの薬剤師」ではなく、「経営のことを考えて動ける薬剤師」として見てもらえたこと。
たとえば、忙しい時間帯にピンポイントで加算を取ってくれた
在宅の導入に一役買ってくれた
無理のない範囲で現場を円滑にしてくれた
薬局側が欲しいのは、「戦力」であり「味方」。
そう思ってもらえるような働き方を心がけることが、
フリーランスとして選ばれ続ける一番の道だと感じています。
まとめ
- フリーランス薬剤師に必要なのは、“経営者目線”
- 単なる労働力ではなく、「薬局にとってのプラス」を意識して動く
- 加算・在宅・現場効率・雰囲気づくりなど、総合的に貢献できる人材が求められている
- 結果的に、“また来てほしい”と思われる存在になる
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