「初めての薬局で、右も左もわからない…」
「とりあえず言われたことはこなしたけど、流れに乗りきれない…」
フリーランス薬剤師として初めて現場に入ったとき、僕もそんな不安でいっぱいでした。
派遣や業務委託は“即戦力”と思われがち。とはいえ、初回から完璧に動ける人なんていません。
だからこそ、現場を早く把握して馴染む力は、
フリーランスで生きていく上でとても大きな武器になります。
この記事では、僕自身が何十か所も現場に入ってきた経験をもとに、
「現場にすばやく馴染む力を高めるコツ」を、できるだけわかりやすくお伝えします。
まずは“観察”が9割|見て・感じて・空気をつかむ
新しい現場に入るとき、最初の1時間はとにかく「観察」に集中します。
たとえばこんなことを見ています:
- 棚の構成(薬の並び方・在庫の種類)
- 薬歴の雰囲気(紙 or 電子・コメント欄のクセ)
- スタッフの動き方(誰が主導権を持っているか)
- レジや投薬口の位置・患者との距離感
これをただ「見る」のではなく、
「ここではどう動くとスムーズか?」という視点で“感じ取る”のが大事です。
▷ 無言のルールは観察でしか気づけない
- ピッキングの順番はどう流れている?
- トレーは誰が渡す?どこに置く?
- 誰が投薬に行くと、空気がよく回る?
こういう“言葉になってないけど大事なこと”は、観察しないと見えてきません。
わからないことは「聞く」ではなく「たずねる」
次に大切なのは、質問の仕方です。
新しい薬局で、質問を遠慮してしまう気持ち、すごくわかります。
でも、ずっと「これで合ってるのかな…」と不安を抱えながら動くほうが危ないです。
▷ ポイントは「聞き方」
NG例:「すみません、これってどうすればいいですか?」
OK例:「この薬局では、この薬、どこに置いてますか?」
「この場面では、皆さんいつもどうしてますか?」
✅ 自分で考えた上で「この職場ではどうですか?」と聞くのがコツ
この聞き方をすると、相手も親切に教えてくれます。
現場の先輩に「この人、ちゃんと周り見てるな」と思ってもらえると、次からがグッと楽になります。
小さな「引き出し」を増やしておく
現場の“型”は違っても、応用できる共通パターンって実は多いです。
たとえば:
- ピッキングの導線が複雑な薬局 → 「患者名書いたメモ+トレーを先に並べると楽」
- 投薬がバタつく薬局 → 「あらかじめ薬歴と一包化チェックに集中して先に回す」
こういった「型」を、自分なりにメモしておく。
そして、新しい現場でその引き出しを試してみる。
すると、「お、このやり方ハマるな」「ここでは応用きかないな」と学びが深まります。
引き出しは、現場数をこなす中で自然と増えます。
でも、意識して言語化しておくと、次の現場で“即使える武器”になります。
現場把握を早める僕のルーティン(初日〜2日目)
実際に僕がやっていることを、時系列でまとめるとこんな感じです。
▶ 初日:朝イチ
- まずは「流れ」を見て、最低限のルールを確認
- レジ・トレー・棚の位置を頭に入れる
- 無理に動こうとせず、声かけと質問を大事に
▶ 昼頃〜午後
- 自分が任されやすい業務を少しずつ実行
- 「この辺、自分がやりますね」と一声かける
- 投薬のリズムに合わせて動いてみる
▶ 2日目以降
- 空気がつかめてきたら、+αの動きを足していく
- 他のスタッフと連携して「自分の役割」をつくる
- フィードバックをもらったら即改善
この「観察→対応→改善→馴染む」の流れを意識して動くと、
初回〜3回目の勤務で“安心して任せられる人”という印象がつきやすいです。
💡 現場把握力を上げる3つの習慣まとめ
最後に、僕がいろんな薬局に入ってきて気づいたことを、シンプルにまとめます。
✅ 1. 見る力を鍛える(観察は最大の武器)
流れ、雰囲気、無言のルールを読み取る
「なじむ」より「溶け込む」意識で
✅ 2. 聞き方を工夫する(自分で考えてから質問)
「この薬局ではどうしてますか?」が魔法の言葉
聞く=迷惑ではない、信頼構築の第一歩
✅ 3. 引き出しをためる(共通パターンを自分の中に)
1つの薬局での成功パターンは、別の薬局でも応用できる
実践+記録が経験値を加速させる
最後に|「現場に強い薬剤師」は必ず選ばれる
フリーランス薬剤師として仕事を続けていくには、
どんな現場にもすばやくなじめる力=現場対応力がとても重要です。
単価交渉よりも、資格よりも、
「この人なら安心してお願いできる」という信頼が、次の契約を生みます。
その信頼は、初日の立ち回りから生まれます。
もし今、「現場でまだうまく動けないな」と感じているなら、
今回紹介したような“小さなコツ”を1つでも実践してみてください。
あなたの現場力は、確実に上がっていきます。
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