「フリーランス薬剤師って、消費税も払うんですよね?」
「簡易課税と本則課税って、正直なにが違うんですか?」
開業したばかりの頃、僕も同じ疑問を持っていました。
税金の話って、なんだかむずかしいし、言葉もややこしい。
でも、実際に制度を調べて、税務署に書類を出したとき、思ったんです。
「あ、意外とシンプル。やるなら、早めに決めるべきだったな」って。
この記事では、僕が簡易課税を選んだ理由と、注意すべきポイントを、できるだけやさしくまとめました。
結論:経費が少ないなら“簡易課税”がシンプルでお得
いきなり結論から言います。
✔ 経費があまりかからない働き方なら、簡易課税のほうが得です。
✔ 本則課税と比べて、計算も楽です。
実際、僕も迷いました。
「本則にすれば、細かく経費が引けるし…」と考えたこともあります。
でも、薬剤師って元々、そんなに経費が多くないんですよね。
- 自宅勤務じゃない
- 設備投資もほとんどしない
- 家賃や光熱費も大きな金額にはなりにくい
だから、「どう考えても、経費でガッツリ引くスタイルじゃない」と判断して、簡易課税を選びました。
簡易課税と本則課税の違いって?
超ざっくりに分けると、こうなります:
税制 | 消費税の計算方法 | 向いている人 |
---|---|---|
本則課税 | 売上の消費税 − 経費の消費税を差し引く | 経費が多い人(仕入れ・設備投資がある) |
簡易課税 | 売上の消費税 × みなし仕入率で自動計算 | 経費が少ない人(サービス業など) |
薬剤師の“みなし仕入率”は50%
薬剤師は「第5種事業(サービス業)」に分類されます。
その場合、みなし仕入率は50%。
つまり、
【売上に含まれる消費税】 × 50% = 経費相当として認められる金額
というシンプルな計算になります。
具体例:本則課税と簡易課税、どっちが安くなる?
たとえば、あなたの年間売上が 税込1,100万円(税抜1,000万円)だとします。
この場合、売上に含まれる消費税は 100万円です。
▼ 本則課税の場合(経費で細かく引くスタイル)
- 経費に含まれる消費税:仮に 10万円(交通費・通信費など)
- 計算:売上消費税 100万円 − 経費消費税 10万円
→ 納める消費税:90万円
▼ 簡易課税の場合(ざっくり仕入率で計算)
- 薬剤師の仕入率は50% → 売上消費税100万円 ×(1 − 0.5)
→ 納める消費税:50万円
結果:このケースでは、簡易課税の方が40万円安い!
- 本則課税 → 90万円
- 簡易課税 → 50万円
→ 差額 40万円の節税効果
ポイントは「経費にどれだけ消費税が含まれているか」
たとえば、仕入れや高額な設備投資があれば、経費に含まれる消費税も大きくなります。
そういう人は本則課税のほうが得な場合もあります。
でも、僕のように…
- 電車移動がメイン(車なし)
- 家賃・光熱費はあまりかからない
- 白衣や印鑑なども用意されている
というスタイルだと、そもそも経費の“消費税分”が少ないんです。
簡易課税を選ぶなら“開業2ヶ月以内”に申請が必要
ここが大事なので、もう一度言います。
✅ 簡易課税は、「使いたい年度が始まる前」に申請が必要です。
✅ 開業した場合は、「開業から2ヶ月以内」に提出が必要。
後から「やっぱり簡易にしたいです」はできません。
▶ 提出書類
- 「消費税簡易課税制度選択届出書」
→ 税務署に紙で出す or e-Taxで電子申請も可
僕は開業届と一緒に提出しました。
同時にやっておくと忘れないのでおすすめです。
本則と迷ったけど、僕が簡易課税を選んだ理由
もう一度、僕が簡易課税を選んだ理由をまとめます。
✔ 経費が少ないとわかっていた
- 白衣は薬局支給
- 印鑑・PCも初期費用ほぼゼロ
- スマホ代や交通費もそこまで大きくない
✔ 計算が楽、ミスしにくい
- 本則は帳簿や仕訳が複雑
- 簡易課税は「売上だけで計算」できる気軽さがある
✔ ざっくりでも節税になる
- 売上が大きくなればなるほど、差が出やすい
- 「経費が少ない×売上が大きい」と簡易課税が有利
最後に|迷ったら「どっちがラクか」「どっちが損しにくいか」で判断を
フリーランスになったばかりだと、
「税金のことはあとで考えよう」になりがちです。
でも、簡易課税はタイミング命。
スタートから2ヶ月以内に申請しないと選べません。
✅ 経費があまりかからないなら簡易課税を前提に
✅ 売上が上がってきたら、本則も検討してOK
✅ なにより「今どうするか」を先に決めておくのが自由への一歩
制度を「活用」できる側に回るかどうかで、
1年後の税金に大きな差が出ます
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