フリーランス薬剤師のデメリット|社会・個人・薬局、それぞれの課題

働き方

フリーランス薬剤師には自由がある。けれど、その裏には“見えづらいリスク”や“構造的な課題”もあります。

この記事では、社会・個人・薬局、それぞれの立場から考える「フリーランス薬剤師のデメリット」を整理します。

自己紹介(読み飛ばしOKです)

薬剤師3年目で、現在はフリーランス薬剤師として活動中のはしけんです!現在は関西を拠点に業務委託契約を中心とした働き方をしています。このブログでは、実体験に基づいた気づきやリアルな情報を発信しています。

社会的デメリット:医療体制の一体感が弱まる可能性

フリーランスの増加は、柔軟性や即応性を高める一方で、「常勤の医療スタッフが少なくなることによる一体感の希薄化」というリスクもあります。

たとえば、在宅医療やチーム医療では、日々の連携や継続的な患者対応が重要になります。そこに関わる薬剤師が固定されていないと、連携の質や継続性に影響が出ることも。

また、業務委託の立場では研修や教育が後回しにされやすく、医療水準の均一化が課題になる可能性もあります。

個人的デメリット:収入・保障・孤独というリアルな不安

・収入が不安定

契約の有無や勤務日数で毎月の収入が変動するため、将来設計が立てにくくなります。

・社会保険や年金は全額自己負担

会社員時代にあった健康保険や厚生年金の折半はなくなり、自己負担額が増えます。

・福利厚生がない

有給、産休・育休、傷病手当などの恩恵を受けられず、自分で備える必要があります。

・孤独になりやすい

固定の同僚や上司がいないため、仕事上の悩みを相談できる相手がいないケースも多いです。

・事務作業がすべて自己責任

確定申告、請求書作成、経費の記録など、事務業務がすべて自分の肩にのしかかります。

これらはすべて、「自由の代償」とも言えるリアルな課題です。

薬局的デメリット:教育・定着・連携の難しさ

薬局側にとっても、フリーランスの活用には課題があります。

・人材育成がしにくい

短期間の関係では教育投資がしづらく、OJTや研修の機会を与えにくくなります。

・職場の一体感が生まれにくい

フリーランスはその場限りの関係になりやすく、スタッフ間のチームワーク構築が難しくなることも。

・シフト調整が難航する場合も

急な欠員対応には便利ですが、逆に繁忙期と閑散期で人件費が読みにくくなるという悩みもあります。

特に、在宅業務や地域連携といった「長期的な視点」が必要な薬局では、継続性のある人材とのバランスが重要です。

まとめ:自由と責任のバランスをどう設計するか

フリーランス薬剤師の増加には、社会・個人・薬局それぞれの立場で、光と影があります。

自由度が高い働き方は、確かに魅力的です。 ですが、それぞれの現場で生じるデメリットにどう向き合うか——そこが問われていると感じます。

リスクを把握し、仕組みとして解決する工夫が増えれば、より多くの人が安心してこの働き方を選べるようになるはずです。

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