薬剤師にとって“誠実さ”が最強の能力である理由

働き方

薬剤師にとって一番大事なスキルは何だと思いますか?

スピード?知識?在宅経験?
もちろん大事ですが、3年間現場で働いてきた僕が「信頼される薬剤師」に共通して感じた決定的な力があります。

それが「誠実さ」です。

この記事では、薬剤師が現場で信頼されるために必要な“誠実さ”を、具体的な行動例とともに解説します。


誠実さは、薬剤師としての信頼を決める

調剤スキルや薬学知識、在宅経験などももちろん大切ですが、
実際に現場で「またお願いしたい」と言われる薬剤師には、共通して誠実さがあるんじゃないかと思っています。

  • 正直であること
  • 丁寧であること
  • 気配りができること

それは決して目立つものではないけれど、「あの人なら任せられる」と思われる最大の武器です。


誠実な薬剤師の行動①:些細なミスも、正直に報告する

たとえば、投薬後に「説明をひとつ漏らしてしまった」と気づいたとき。
「まあいっか」とスルーせず、薬歴やスタッフにすぐ共有できるかどうか。

この“スルーしない姿勢”が信頼をつくります。

  • 正確さ以上に大事なのは、対応後の誠実さ
  • ミスそのものより、向き合い方を見られている

安心して任せられる人は、常にこうした正直さを持っていますよね。

はしけん
はしけん

人間である以上、ミスは避けられません。
報告すれば「使えない」と思われるのが怖い気持ちはわかりますが、それ以上に怖いのは、報告せずに問題が発覚して信頼を一気に失うことです。
小さな正直さは、後の大きな信頼を守ります。

誠実な薬剤師の行動②:引き継ぎは、丁寧すぎるくらいでちょうどいい

たとえば、

  • 「あの患者さん、最近来局時間が午後に変わってきた」
  • 「粉薬の好みがある」「聞こえづらさがある」

こうした情報まで丁寧に引き継ぐ人は、現場全体の安心感を支えています。

引き継ぎの丁寧さ=“見えない気配り”。
その積み重ねが、チームの信頼を育てていきます。

はしけん
はしけん

僕も時間がない時や、早く帰りたいときは引継ぎが雑になりがちです..
気を付けないとだめですね。

誠実な薬剤師の行動③:薬歴は“自分のため”でなく、“チームのため”に書く

薬歴を書くとき、「あとから見た誰かがすぐわかるように」意識するかどうか。

たとえば、

  • 「血圧薬は必ず1包化希望」
  • 「粉薬にこだわりあり」

といった細かい希望まで記録しておくことで、誰が対応してもスムーズに引き継げます。

薬歴は、未来の誰かのために残す設計書と思っています。

はしけん
はしけん

頭書きを充実させれば、事務さんの助けにもなりますよね。


誠実な薬剤師の行動④:「言われてないこと」も、必要ならあえて伝える

患者さんがOTC薬を選んでいるとき、「声をかけたほうがいいかな?」と迷う場面は多いと思います。
ここで大事なのは、「必要最低限の対応」だけで終わらせるか
それとも「相手が求めていなくても、安心につながる一言」を添えられるか。

「何かお探しですか?」と一声かけることで、患者さんは「ここなら相談できる」という安心感を得ると思います。
それが重なっていくと、やがて「この薬局、この薬剤師になら任せたい」という信頼につながります。

はしけん
はしけん

言われたことをするだけでは信用止まり。
言われなくても必要だと思うことをする姿勢こそが、信頼を積み重ねる力になるのだと最近やっと気づきました笑


誠実な薬剤師の行動⑤:目に見えない付加価値を生む

実際に現場でよく見かけたのが、こんなシーンです。

「あれ、昨日この薬なくなってたけど、誰かが補充してくれてた」
「あの件、報告せずに処理することもできたけど、ちゃんと相談してくれてありがたい」

こうした誠実な行動は、数値では測れないけれど確実に評価されるものです。
おそらく、患者さんも薬局スタッフも誠実な人を見逃しません。

こういう行動は、直接的には「評価ポイント」や「報酬」に反映されないかもしれません。
でも現場では、確実に“信頼残高”として積み上がっていきます。

誠実な人は、困ったときに真っ先に声をかけられる。
新しい仕事を任せられる。
紹介やリピートにつながる。

目に見えない付加価値こそが、次のチャンスを呼び込む土台になるかもしれません。


「信頼できる薬剤師」と言われる人は、必ず誠実さがある

あなたが今までに「この人、信頼できるな」と思った薬剤師は、どんな人だったでしょうか?

嘘をつかない。
丁寧な説明をしてくれる。
相談したくなる雰囲気がある。

それこそが“誠実さ”です。

派手じゃない。目立たない。
でも、どこへ行っても通用する強さを持つスキルです。

そして、僕自身が尊敬している薬剤師もまた、誠実性を持った人でした。
華やかな実績よりも、日々の小さな行動で信頼を積み重ねる姿を見て、
「こういう人と一緒に働きたい」「自分もこんな薬剤師になりたい」と心から思えたのです。


おわりに|誠実さは、“あとから効いてくる力”

誠実さは、すぐに評価されるものではないかもしれません。
でも、必ずあとから効いてきます。
リピート依頼、紹介、信頼される人材としてのポジション。

だからこそ、日々の一つひとつの行動で「誠実さ」を磨いていきたいですね。

一緒に頑張りましょう!

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