フリーランス薬剤師として独立したいと思ったとき、多くの人が最初に感じるのは「リスク」だと思います。
僕自身、20代で会社を辞めて独立したとき、頭の中は不安でいっぱいでした。

この記事では、実際に僕が独立して感じたリスクを正直にまとめます。
「リスクを知った上で、それでも挑戦したい」と思える人にとって、必ず役に立つはずです。
リスク① 案件がなくなること
フリーランス薬剤師にとって、一番のリスクは案件が途切れることです。
会社員ならよほどのことがない限り毎月の給料は保証されますが、フリーランスは契約が切れたら収入ゼロ。
体調を崩しても、代わりに出勤してくれる人はいません。
僕も独立して最初の頃、人脈ゼロから始めたので案件がなく
「来月の収入がゼロだ…」と本気で焦った経験があります。
フリーランスは、この不安定さとどう向き合うかが勝負です。
案件途切れリスクを減らす方法(リスクヘッジ)
- 複数契約を持つ
1つの薬局に依存せず、複数の契約先を確保しておくこと。
「メイン+サブ」や「短期+長期」など、ポートフォリオを組む意識が大切です。
仮に1つ切れても、他で最低限の収入を維持できます。 - 派遣・単発勤務で顔を売る
独立初期は派遣やスポット勤務を活用して“とにかく現場に出る”こと。
一度でも誠実に働けば、「またお願いしたい」と声がかかる可能性が高いです。 - SNSやブログで発信する
僕自身、ブログやインスタを通じて「この人、フリーでやってるんだ」と知ってもらい、問い合わせにつながることもあります。
自分を知ってもらう“窓口”を作っておくことは想像以上に効果的です。 - 薬剤師会・地域ネットワークに参加
保険や勉強会だけでなく、人脈作りの場にもなります。
薬局経営者や在宅をやっている先生と直接つながれるのは大きい。 - 信頼を積み上げる
結局のところ案件は“人”から来ます。
誠実に働き、レスポンスを早くし、契約やお金のやり取りをきちんとする。
「あの人なら安心」と思ってもらうことで、次の紹介につながります。

案件が切れる怖さは、独立初期は特に強烈です。
でも、契約がなくなるのは“終わり”ではなく、次へ進むチャンスでもあります。
僕も「切られた=自分に価値がない」ではなく「合わなかっただけ」と割り切るようにしてから、精神的にずっと楽になりました。
営業トークよりも「現場で信頼を得る」ことが、次の契約への一番の近道です。
リスク② 孤独との戦い
フリーランスになると、会社という後ろ盾がなくなる孤独を強く感じます。
- 相談できる上司もいない
- 同僚と愚痴を言い合う場もない
- 契約や交渉はすべて自己責任
- 税金のことを聞ける人がいない
最初は「大海原に一人で放り出されたような感覚」でした。
ただ、孤独の中で得られる学びも大きいです。
現場での立ち振る舞いを工夫したり、薬局のルールに合わせて柔軟に動くことで、逆に信頼を得られるようになります。
孤独はリスクでもあり、成長のチャンスでもあります。
リスク③ 若く経験が浅いうちに独立すること
「20代で独立?まだ早いんじゃない?」
これは独立前に何度も言われた言葉です。確かに、経験が浅い状態でフリーランスになるのはリスクがあります。
- 契約や交渉の知識が少なく、足元を見られやすい
- 万が一ミスをしても、会社の看板が守ってくれることはない
- 履歴書に空白ができることへの不安
僕自身も薬剤師3年目で独立したとき、「若すぎて信頼されるだろうか」と何度も迷いました。
それでも20代は「リスクを取れる年代」
一方で、20代には大きな強みがあります。
- フットワークが軽い
家族や住宅ローンに縛られにくい時期。多少の失敗も次につなげやすい。 - 体力がある
朝から晩まで現場に立つのも苦にならない。経験を一気に積み上げられる。 - 失敗してもやり直しが効く
仮に独立がうまくいかなくても、20代なら再就職の道もまだまだ開けている。
つまり「一番小さなリスクで挑戦できるのが20代」なんです。
いきなり大きな勝負をするのではなく、「安全網を持ちながら独立する」イメージです。

正直に言うと、僕も「若すぎて早いかも」と思っていました。
でも、逆に考えたら 今日が一番若いんです。
この先30代になっても40代になっても、ずっと「まだ早い」と言い訳していたら、挑戦のチャンスは逃げ続ける。
だから僕は、不格好でも飛び出すことを選びました。
20代で独立したからこそ、今の自分があります。失敗も含めてすべて経験にできるのは、この年代ならではの強みだと思っています。
リスク④ 会社に守られないこと
会社員であれば、多少の失敗は会社が守ってくれます。
社会保険、厚生年金、有給、育休――。
当たり前のように享受してきた福利厚生は、独立するとすべて自分で準備しなければなりません。
- 健康保険は国保 or 任意継続
- 年金は国民年金(将来の受給額は少ない)
- 休んだ分だけ収入ゼロ
「守ってくれる会社がない」というのは、想像以上に精神的な負担になります。
だからこそ、生活防衛資金の準備や保険への加入は独立前に必ずやるべきです。
リスクを減らすために僕がやったこと
実際に独立した僕が、リスクを下げるためにやったのは以下の3つです。
- 生活防衛資金を6か月分貯める
案件がなくても半年は生きられる安心感をつくる。 - 複数契約を持つ
1つ切れても他でカバーできるようにしておく。 - スキルの棚卸しをする
自分の強み(スピード、加算取得、在宅対応)を明確にしてアピール。
まとめ|リスクを「知って備える」ことが最大の武器
フリーランス薬剤師のリスクは確かに大きいです。
- 案件が切れたら収入ゼロ
- 孤独に耐える必要がある
- 若さや経験不足は不利に働くこともある
- 会社に守られない自己責任の世界
でも、リスクを知って準備すれば、大きな自由と可能性を手に入れられます。
僕自身、昇格すらできなかった会社員時代には想像できなかった 「年収700万円の現実」 を、今は自分の力でつかめています。
リスクを恐れて動かないか、リスクを理解して一歩踏み出すか。
選択肢は常に自分の手にあります。
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