フリーランス薬剤師として複数の薬局に入っていると、経営者の判断がどれだけ現場に直結するかを痛感します。
個人薬局にとって採用は、単なる人員補充じゃなく「固定費を増やす決断」そのもの。
じゃあ、その重要な局面で経営者は何を見ているのか。
個人薬局経営者が人を雇うときに一番意識していることを、現場から見えた範囲で言語化してみます。
薬局の採用は「人を増やす」より「安心感を買う」ことに近い
薬剤師採用って、なんとなく「能力の面接」だと思われがちです。
学歴とか、経験年数とか、在宅経験とか、加算の知識とか。
でも個人薬局の現場にいると、採用の空気は少し違うなと感じます。
経営者や幹部が人を雇うときに一番意識しているのは、たぶんこれです。
“この人が入って、現場がラクになるか?”
もっと言うと、
“現場を壊さず、回してくれるか?”
これって、スキルよりも「安心感」の話なんですよね。
採用は「性能の比較」じゃなく「安心感の買い物」
たとえ話をします。
たとえば、あなたがスマホを買うとき。
スペック表は見るけど、最終的に選ぶのは「安心して使えるやつ」だったりしませんか。
・壊れにくい
・変な癖がない
・使っていてストレスが少ない
・困ったときにちゃんと対応してくれる
薬局の採用も、感覚としてはこっちに近いです。
もちろん能力は大事。でもそれ以上に、
- 変なトラブルを起こさない
- 空気を壊さない
- 現場を淡々と回せる
この“安心の価値”が大きい。
特に人手不足の薬局ほど、「すごい人」より「安定して働いてくれる人」が欲しくなります。
新規現場で“即戦力”って、結局こういうこと
フリーランス薬剤師って、新規の現場でいきなり完璧にできない。
これは当たり前です。ピッキングだって、初日に爆速は無理。
だから僕が思う即戦力は、いわゆる“天才ムーブ”じゃない。
「薬局運営の最低限」を淡々とこなして、何なら効率がいい人。
たとえば、
- 投薬をぶん回す(詰まらせない)
- 患者対応で揉めない
- 変なこだわりで流れを止めない
- ルールが分からない部分は素直に聞く
- 正社員の時間をつくる動きをする
ここができると、経営者の目線ではこう見えます。
「この人が入ると、正社員が楽になる=店が回る」
これ、採用側が求めてる本質だと思います。
面談で見られているのは、結局「人となり」
経営者の面談でよく聞かれるのは、だいたいこのへん。
- なんで前の職場を辞めたの?
- これまで何をやってきた?(在宅経験など)
- どれくらい頑張ってくれそう?
在宅経験は気にされることもあるけど、初めてでも歓迎されることは多い。
つまり、経験だけで決まるというより――
結局、最後は“人となり”を見られている感じがする。
これは理屈というより、本能に近い。
「この人、変な爆弾抱えてない?」
「トラブル起こしそうじゃない?」
「現場の空気を乱さない?」
採用って、失敗したときのダメージが大きいので、経営者ほど慎重になります。
見送りになる理由は、実はシンプル
採用されやすい環境(慢性的な人手不足)でも、落ちる人は落ちます。
見送りになるのは例えばこういうパターン。
- 過去に働いてて、問題を起こしまくってた(患者と喧嘩など)
- 年齢が高すぎて、体力面の心配が大きい
- 面談で態度が悪いわけじゃないのに、“なんかやばそう”が出ている
最後の「なんかやばそう」って言語化しにくいけど、
経営者や幹部って、ここを本能で嗅ぎ取る気がします。
たとえば、前職の悪口が止まらない人。
仕事の話より「誰が悪かった」ばかり語る人は、現場でも同じことをやりがちで怖い。
経営者が喜ぶ“成果”は「クレーム減」と「残業減」
採用する側の目的は「人を増やす」じゃなくて「店を守る」だから、評価指標も現実的です。
僕が聞いたことがあるのは、特にこの2つ。
① クレームが減る
最近はGoogleマップの評価を見て薬局を選ぶ人もいます。
つまり接客が悪いと、新規患者の獲得にも響く。
だから経営者は言います。
「対応が良い人、人当たりが良い人の方がいい」
そりゃそうだよな、って話なんだけど、
ここを本気で意識してる経営者は多いです。
② 残業が減る(正社員の時間が増える)
フリーランスが投薬を回して、現場を支える。
結果、正社員が本来やるべき業務に集中できる。
それが残業減につながる。
そして最近は加算も厳しくなってるから、
店として“頑張らないとまずい”空気もある。
フリーランス薬剤師は、かかりつけを取るのが難しいぶん、
他の部分で貢献しないといけないという感覚もあります。
「また呼びたい」と思われる瞬間は、だいたい現場が修羅場のとき?
僕が評価されたと感じたのは、耳鼻科門前の薬局。
薬剤師と事務さん1人で回してる土曜午前、忙しいと100枚近くくる。
そこに応援で入って、投薬をぶん回した。
そりゃ評価されるよね、って話だけど(笑)
でも、こういう場面で経営者が見てるのは、
“この人は、修羅場でも現場を壊さず回せる”
この一点だったりします。
採用される人のチェックリスト(経営者が見てる所)
最後に、経営者目線での「採用される人の行動チェック」を置いておきます。
- 人となり(感じがいい/普通に話せる)
- 笑顔
- 誠実そうか
- 前職を辞めた理由が破綻してないか
- 薬剤師として勉強しているか(最低限の熱)
面談で刺さる一言があるとしたら、僕はこれだと思う。
「人とうまくやっていく能力には自信があります」
薬局の採用で最後に残るのは、結局ここです。
まとめ:採用は「能力」より「現場の安心感」が勝つ
経営者や幹部が人を雇うとき、一番意識しているのは、
“現場を壊さず回せるか”
= 安心感
即戦力というより、
「淡々と最低限をこなして、現場の負担を減らせる人」が強い。
もしこれから独立や転職を考える薬剤師がいるなら、
スキルを盛るより、
“空気を壊さず回せます”を証明できる言動
を磨いた方が、たぶん採用されやすいです。


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